手話とケータイ(メモ)

興味深かったので、取り敢えずメモ。


いわゆる「ろうあ者」用言語としては「手話」がありますが、実はこの「日本語対応手話」なるものと、ろうあ者が日常使っているものとでは、文法から表現に至るまで大きく違っています。
手話は「手を使う言語」だと多くの人は認識してますが、実際には手以外の動作―体全体や頭の向き・視線の方向・顔の表情など─と手の動作が一緒になって初めて言葉としての意味をなすものだそうです。
それに比べて「日本語対応手話」とは、アルファベットや50音を一つづつ手の動作に落とし込んだものであるので、あらかじめ日本語文語を習得しているものでなければ、まったく理解不能ですし、手話としてまどろっこしすぎて、日常的には使われないものです。つまり、「音声言語」と「手話言語」という文化の違いは、「日本語」と「英語」よりも大きなものであるということです。ろうあ者が日常的に使っている「手話」とは、「日本語」とは異なる言語であるということです。
しかし従来のろう学校教育は、健常人とのコミュニケーションに役立つ「相手の唇を読んで自分では聞こえない発語をする」口語一辺倒(ノーマライゼーション)で、「日本語対応手話」さえ「口語教育」の妨げとなると、ちゃんと教えて来ませんでした。>「ろう文化宣言」木村晴美 http://kimura-harumi.cocolog-nifty.com/blog/
 
が、しかし、「携帯」普及は、ろうあ者に大変受け入れられ、携帯メールでのコミュニケーションが活発化してる層が出現しました。それが、これからの「ろう文化」にどのような影響を与えるのかは不明ですが、それは健常人「口語文化」も実は同じなのではないでしょうか。
http://h.hatena.ne.jp/hizzz/9234071353842703531
(日本ということを前提とすれば)聾唖者は今迄も日本手話/日本語の書き言葉を使用してきたので、一面では「携帯メールでのコミュニケーション」は郵便制度を通した手紙やPCのメイルの延長という感じもする。また、新しいといえば、「携帯メールでのコミュニケーション」自体、聾唖者にとっても聴者にとっても、新しいものだと言えるだろう。テクノロジー関連だと、例えばMSNメッセンジャーでのウェブ・カメラを使ったヴィデオ・チャットの方が手話によるコミュニケーションを拡張する可能性があるのでは?

手話については、http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20071102/1194030402 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080224/1203784028でも言及した。