http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110805/1312518352に、「数学と詩は、ことばによる文化のもっとも根源にあるものなんじゃないでしょうか」*1。
文化=カオスの克服或いはカオスの秩序化ということなら、そうも言えるかな。ただ、注意すべきは意識が存在しなければ無意識も存在しないように、ノモスやコスモスの存在を前提にしなければカオスも存在し得ないということ。さらに言えば、「数学」というよりも数があること、数というものを使うことによって世界が秩序立ったものとして現れてくることへの驚きといったものの方が重要でしょう。そこから、一方では数についての抽象的な思弁、他方では数の呪術的・科学技術的使用が開けてくるといえる。老子(『道徳経』)は世界の生成を数の生成(「一」の生成)として思考しているし、『易経』は世界を諸々の数から構成されるシステムとして理解しようとしている。尤も『易経』は抽象的な思弁と占いという実用の交点に存立しているわけだが。所謂数学が抽象的思弁と実用(算術)との交点に存立しているのと同じ。老子は数理哲学だということを教えてくれたのは白川静先生(たしか『漢字百話』)。
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何時だったか、Thomas Crump The Anthropology of Numbersという本を買ったものの、(例の如く)全然読んでいなかったということを思い出す。
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