「奢侈品」

少し前の『朝日』の記事;


北朝鮮に「ぜいたく品」密輸容疑で初の逮捕へ 兵庫県警2009年6月9日3時0分


 北朝鮮への禁輸措置がとられているピアノなどの「ぜいたく品」を輸出したとして、兵庫県警が京都府舞鶴市の貿易会社社長、盛田忠雄被告(50)=外為法違反(無許可輸出)の罪などで起訴=を同法違反(輸出の不承認)容疑で近く再逮捕することが県警への取材で分かった。県警によると、北朝鮮による06年の初の核実験後に設けられた禁輸対象品をめぐる摘発は初めてという。

 盛田被告は先月19日、タンクローリー2台を北朝鮮に密輸しようとしたなどとして逮捕された。

 県警によると、同被告は経済産業相の承認を得ず、昨年10〜12月に禁輸対象品の外国製高級車(メルセデス・ベンツ)数台とピアノ数十台を販売価格計1千数百万円で神戸港から輸出した疑いが新たにもたれている。

 捜査関係者によると、これらの禁輸対象品は、中国・大連にある北朝鮮関連の貿易会社を経由し、平壌の別の貿易会社に渡っていたという。盛田被告は調べに対し、ベンツやピアノなども含め「北朝鮮側から注文を受けた」と供述しているという。

 平壌の貿易会社は、米財務省が05年に北朝鮮による資金洗浄の拠点の一つと指摘した「バンコ・デルタ・アジア(BDA)」に銀行口座を開設。マカオ当局が同社の口座を一時凍結したこともあるという。
http://www.asahi.com/national/update/0608/OSK200906080088.html

外務省、経済産業省北朝鮮への奢侈品の輸出禁止措置等について」*1によると、「奢侈品」には以下のようなものが該当するらしい;

牛肉
まぐろのフィレ
キャビア・その代用品
酒類
たばこ
香水
化粧品
革製バッグ・衣類等
毛皮製品
じゅうたん
クリスタルグラス
宝石
貴金属
貴金属細工
携帯型情報機器
映像オーディオ機器・ソフト
乗用車
オートバイ
モーターボート・ヨット等
カメラ・映画用機器
腕時計等
楽器
万年筆
美術品・収集品・骨董品
さて、「経済制裁」の潜在的な目的が北朝鮮人自ら「世界第三」*2と誇る北朝鮮の軍事力を弱体化させることにあるとしたら、「奢侈品」を輸出禁止にすべきではないだろう。清朝が、第二次阿片戦争において英仏連合軍に破壊された清漪園を西太后の隠居所(頤和園)として軍艦建造費用を流用して再建したが、結局日清戦争には負けてしまったということがあった。寧ろ一定量以上の「奢侈品」の購入を義務づけるという「経済制裁」を課すべきであろう。
さて、上の『朝日』の記事に関して、「どうしてピアノが「禁輸対象品」なのだろう?」というコメントあり*3。それについては「楽器」だからだということなのだろうけど、少なくとも喜納昌吉氏が属する民主党はその「禁輸」に反対すべきだろう。全ての武器を楽器に! 
ピアノで思い出したが、上海にピアノを売る店は少なくないが、その多くは新品のピアノではなく、日本の中古ピアノ。もしかして、中国が日本の中古ピアノの最大の市場になっているのか。ヤマハやカワイを掲げる店はあってもSteinwayを掲げる店は見たことがない。それどころか、もしかして上海にスタインウェイのピアノは(中古でも新品でも)存在しない可能性もある。今年初めに小野リサが上海でライヴを行ったとき*4小野リサ側が主催者にスタインウェイのピアノを用意するよう要求したが、結局上海でスタインウェイは調達できず、ヤマハで勘弁してもらったということがあるらしいのだ。