昨日やまだ紫さん死去のことを記した*1。それを知る前日、犬童一心監督の『グーグーだって猫である』*2を観ていた。街を歩いていて、DVDが目に入り、大島弓子原作、小泉今日子主演というだけで、観なくちゃと思った。そして、川瀬さんのblogでやまだ紫さん死去のことを知ったとき、前夜観た『グーグーだって猫である』を思い出してしまった。
この映画の主題には(勿論それだけではないが)死への接近と再生があるだろう。映画の中で実際に死ぬのは猫の「サバ」だけなのだが、(大島弓子さん自身をモデルにした)小島麻子は「サバ」の死に直面し、卵巣癌に罹り、自らの死に直面する。また、飼い主に先立たれる「グーグー」のことを思いやる。そして、死んだ「サバ」に対面することを通じて、再生する。また、劇中漫画として引用される「八月に生まれた子供」。主人公の女性は突然急激に老化し始める難病に罹ってしまい、自らの死に接近し、治癒することでまた新たに生まれなおす。私たちは自らの死の可能性を忘却しながら(忘却するふりをしながら)日々生きているわけだが*3、登場人物たちは、そして映画を観ている私たちも、その忘却を解除され、死ということに直面し、死の可能性と何とか折り合いをつけるために意識の仕切り直しをせざるを得なくなる。
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