〈敵〉を描いた映画

のほほん「『戦場のメリークリスマス』――異文化同士の衝突を経て、理解の種が蒔かれた」https://nhhntrdr.hatenablog.com/entry/2022/03/05/162444


大島渚の『戦場のメリークリスマス*1。「難しい映画」なのに「観たら感動する」のは何故なのかを、大島渚自身の言葉、原作であるヴァン・デル・ポストの『影の獄にて』、河合隼雄の『影の現象学』を援用しつつ省察している。とても興味深いエントリーであり、今のところ、私からコメントを付け加える余地はない。
ただ、これを読んでいて、或る重要な事実を思い出したのだった。私たちは、戦争映画というのは味方と敵の争いを描く映画だと考えがちだ。しかし、左翼的な反戦映画であれ右翼的な好戦映画であれ、他者としての〈敵〉を正面から描いた映画は殆どない。『戦場のメリークリスマス』は〈敵〉を他者としてちゃんと描いた稀有な映画だといえる。