よくわからず

『毎日』(熊本版)の記事;


会いたい聞きたい:銀河カレッジ施設長・梅田伊津子さん /熊本
 ◇「外部社会との交流を」−−梅田伊津子さん(63)

 知的障害がある人の就職が進まない。コミュニケーションが苦手で、周囲に理解されにくいことが背景にあるという。知的障害者の親で、宇土市築籠(ついごめ)町の就労支援施設「支援センター銀河カレッジ」で施設長を務める梅田伊津子さん(63)に、施設の活動と知的障害者を取り巻く現状を聞いた。【遠山和宏】

 −−どのような施設ですか。

 ◆知的障害のある約25人がお菓子作りや農作業、アート活動などをする作業所です。

 −−設立の経緯は。

 ◆1978年に生まれた私の三女(30)は知的障害があります。86年に障害のある子供の親たちと共同で「宇土星の子おもちゃ図書館」を開館し、おもちゃの貸し出しをしたり、キャンプなどの活動をするなど遊び場を作りました。

 −−その後、作業所をつくったのですか。

 ◆ある子どもが、あと1年くらいで養護学校高等部を卒業するという時期になり、就職が困難と分かりました。卒業後はどうするか。以前から憂慮していた問題に直面しました。そこで県に相談し、96年に通所作業所の認可を受けて作業所を開所しました。現在は、夫が理事長を務める「社会福祉法人銀河の会」が運営しています。

 −−知的障害のある人を取り巻く環境は変わりましたか。

 ◆まだまだ厳しいです。先日、羽田空港から飛行機に乗った時、娘がシートベルトを付けるのを嫌がりました。私が上から抑えていたので問題はないと思うのですが、しっかり締めずに声を出していたこともあってか「シートベルトをしていない人を乗せることはできない」と、降ろされました。別の便に乗って帰りました。

 −−どうしてなかなか環境が改善されないのでしょう。

 ◆知的障害のある人と接した経験が少ないからだと思います。もっと外部社会との交流を増やせれば、一般の人たちの理解も進むと思います。

 −−作業所の近くに飲食店「昭和カフェ 銀乃船」も開いていますね。

 ◆銀河カレッジの利用者が、店員として働いています。昭和の雰囲気がする趣のある場所でゆっくりしていただけます。これも彼らの社会交流の場になっています。

 −−目標はなんですか。

 ◆施設利用者が社会の中で、一人の人間として独立して生きていけるようにしたい。親と一緒に暮らしている利用者が多いですが、いつまでも親が生きているわけではありません。下宿暮らしをしながら働けるような施設をつくれたらいいなと思います。

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 ◇プロフィル

 東京都新宿区生まれ。81年に家族で宇土市に移住した。夫は陶芸家。自身も多摩美術大学卒の陶芸家でもある。音楽が好きでフルート演奏が趣味。1男3女の母親。

毎日新聞 2008年8月24日 地方版
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20080824ddlk43040245000c.html


これに関する「痛いニュースhttp://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1168875.html
はてブhttp://b.hatena.ne.jp/entry/http://blog.livedoor.jp/dqnplus/archives/1168875.html 
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20080824ddlk43040245000c.html 


問題になっているのは、


 −−知的障害のある人を取り巻く環境は変わりましたか。

 ◆まだまだ厳しいです。先日、羽田空港から飛行機に乗った時、娘がシートベルトを付けるのを嫌がりました。私が上から抑えていたので問題はないと思うのですが、しっかり締めずに声を出していたこともあってか「シートベルトをしていない人を乗せることはできない」と、降ろされました。別の便に乗って帰りました。

という部分。
記事を読む限り、航空会社側の対応(多分機長の決定だろう)は完全に正しく、これが知的障碍者に対する差別であるとは思えない。というか、知的障碍者だから「シートベルトを付けるのを嫌がって」騒ぎ出したということではないだろう。毎日世界中で多くの知的障碍者が飛行機に乗って移動しているわけだし、昨年上海でスペシャル・オリンピックスが開かれたが、そういう場合には一度に数千人単位の知的障碍者が飛行機で移動する。また、知的障碍者でなくても「シートベルトを付けるのを嫌がって」騒ぎ出すことはありうる。だいたい、飛行機に乗る作法を知らない人というのはけっこう多くて、私も前の席の奴がタクシイングを始めているのにリクライニングを倒したままだったので、椅子倒してんじゃねえよと注意したら睨み付けられて、怖い思いをしたということがある。
インタヴュアの質問の仕方や記事の纏め方が悪いという意見もある*1。たしかに記事を読んでいればそういう気もする。それが2ちゃんねるとか「痛いニュース」におけるまさに「障害者をいじめて何が悪い」*2というノリの「池沼」叩きを導き出してしまったことになる。差別したくてうずうずしている連中に餌を投げてしまったというか。
飛行機に何度乗っても、飛行機が離陸して水平飛行に移るまでの間は、凄い圧迫感を感じて、重力に逆らってるんだということを実感する。「シートベルトを付けるのを嫌がって」いたということだけど、離陸の際の圧迫感は桁違いだ。締めずにそのまま乗ったとしても、そのときになってパニックを起こさないか。
それから、スッチーは会話のマナーとして、お客様に依頼をするときも、命令調になるのを避けて間接的にいう。そうしたコミュニケーションが通じなかったのかも。
また、強制的に「降ろされ」たということだと、実際はすごくごたごたしていたのだと思う。スッチーのレヴェルでは対応できなくなって、機長に相談して、降りていただくことになった。ああだこうだで、出発もかなり遅れただろうし、もしかしたら乗り合わせていた人がblogとかにそのときの様子を書いているという可能性もある。
いちばん大変なのは、〈感情労働〉を担うスッチーさんたちか。