サンダル

TATTOO「刺青」あり [DVD]

TATTOO「刺青」あり [DVD]

高橋伴明の『TATTOO<刺青>あり』の中で、下元史朗が女物のサンダルを履いているシーンを巡って、真魚八重子さん曰く、


この女モノサンダルは確か、ヤンキー世界では特定のスケがいるという記号です(フリだけという寂しいヤンキーもいただろうが)。おそらく「さっき女の部屋から出てきた」という意味や自慢に端を発する、ヤンキー文化の中で定着した符牒的ファッションで、パンチパーマや剃り込みを入れたヤンキーが、女モノのツッカケをはき、小さい傘を持って便所座りでたまってる姿は田舎の風物詩でしたよね。そういえばうちの向かいにあった酒屋の兄さんも、フワッとしたパーマヘアに見事な剃りこみを入れてましたが、シンナーのやりすぎで脳がやられ、精神病院に入ってそれきりになってしまいました。
http://d.hatena.ne.jp/anutpanna/20080818#p1
たしかに。この映画を観たのは20年以上前なので、そんなシーン、忘れていました。
ただ、(以前も欠いたかも知れないが)この時代、「ヤンキー」というのはまだ関西弁であって、(全国区的という意味での)日本語ではなかったと思う。関東では、〈ツッパリ〉と言っていたと思う*1
〈ツッパリ〉のファッションといえば、ボンタン+ゴム長というのがあったが、これが全国区的なものだったかどうかはわからない。また、「パンチパーマ」は1980年代じゃないかな。1970年代において、〈ツッパリ〉の髪型は何よりもリーゼントだったんじゃないか。パーマだったら、「パンチ」ではなくアフロ。
それから、〈ツッパリ〉文化と朝鮮文化の関係も重要で、タンベとかマッポという言葉が朝鮮語だということを知ったのはかなり後のことだった。因みに、マッポという言葉を教えてくれた人は大学を卒業して、本物のマッポになってしまった。

追記:「マッポ」の語原については、「さつまっぽう」が起源だという説あり*2。また、http://pknj.seesaa.net/article/2528038.htmlでは、韓国語とされている。因みに、これを書いている方は韓国系日本人である。この方もコメント欄で韓国語説を否定している。とすると、私が聞いた「マッポ」=朝鮮語というのはかなり怪しくなってくる。しかし、そのような民間語源説がそれなりに流通しているというのはいえると思う。

*1:TATTOO<刺青>あり』は関西が舞台だから、「ヤンキー」で問題ないのか。

*2:http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1118169351