済州島と蒙古

李葉飛「蒙古人的蛛絲馬跡」『O2』2010年1月号、pp.117-123


韓国済州島の観光記事。記述は済州島における蒙古(元)の痕跡を中心とする。
元代において、済州島は日本攻略の最前線基地として、(高麗による間接統治ではなく)元によって直接統治が行われていた。また、後に朝鮮半島の高麗が元に叛旗を翻すと、朝鮮半島の蒙古勢は済州島に逃げ込んだが、1か月の戦闘の後、高麗軍は蒙古勢を済州島の南の「虎島」に追い込み、済州島を奪還し、蒙古軍は降伏を余儀なくされた。済州島は地形や気候がモンゴルの草原に似ていたらしく、蒙古人はモンゴルから馬と牧草としての「芒花」を移植した(p.120)。現在の済州島の馬は、固有の「済州馬」と「蒙古馬」との混血である(p.121)。
さて、済州島の言語について;


在済州留心聴済州本地人講話、発現了韓劇裏的韓語那些典型的語調、総覚得有所不同、問了知道、済州語是韓国的三大方言之一、這種方言與以首爾為標準的韓語有着很大的不同、却有不少跟蒙古語相近的地方、済州以外的韓国人都很聴懂済州話。拠説、以前半島上的人到済州做生意、還需要帯翻訳*1。(p.121)
何人かの韓国人から済州島の言葉はわからないという話は聞いたことがある。ただ、それがモンゴル語の影響によるものだということは初めて知った。
See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20091007/1254892257

ところで、これは日本文化の起源にも関わる話かもしれないが、「海女」という職業が存在するのは、世界で済州島と日本だけである(pp.118-119)*2

*1:ここでは通訳の意味。

*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20090727/1248634457