『ミリオンダラー・ベイビー』と善悪の決定不能性(メモ)

承前*1

平川克美氏の『ミリオンダラー・ベイビー』についてのコメントをメモしておく;


クリント・イーストウッドが監督主演した映画『ミリオンダラー・ベイビー』では、自らが育てた女性ボクサーが、再起不能の状況で苦しむのを見て、彼女に死を与えることを決意するまでの葛藤が描かれている。かれにとっては、彼女を生かし続けることが「不正義」であり「虐待」なのである。人生は楽しいことだけではなく、簡単ではない。そうこの映画は告げている。確かにこの映画は極端な例かもしれないが、それでも大変示唆的な問題を投げかけている。人間が行動を起こすのは、正義を実現するためでもないし、悪を行うためでもない。ひとりの人間の行動の前には、いくつもの選択肢が広がっているが、行動の後に、事後的に善や悪といった形でしか判定されざるを得ないということである。
http://plaza.rakuten.co.jp/hirakawadesu/diary/200805240000/
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