Libertarian/Neoliberal


一応解説しておくと、リバタリアンとは社会的・経済的の両側面において個人の生活への政府の関与を最小にとどめようとする政治的立場であり、そうした政治的立場を表明する政党としても存在する。治安維持や安全保障のための政府の役割は肯定するが、福祉国家による再分配政策にも宗教右派的なモラルの押し付けにも反対する立場。

ネオリベラリズムとどう違うのかと思う人もいるかもしれないけど、わたしの考えではリバタリアニズムはあくまで政府の干渉の外側に豊かな公共空間を期待する理想主義であるのに対し、ネオリベラリズムはあくまで個人主義あるいは核家族主義の枠を出ないシニシズムである点が違うように思う。もっと思想的にあるいは政治理論的に分析も可能なのだけれど、とりあえずの印象としてはそこが重要な違いじゃないかな。
http://macska.org/article/228

新自由主義というのはあくまでもそれ以外の人たち(特にそれに批判的な陣営)による呼称であるが、実際に新自由主義者の人たちは自らの政治的なスタンスをどう呼んでいるのだろうか。また、新自由主義は別名市場原理主義なので、この人たちにとっては、政治という領域は究極的には経済メカニズムの一部へと還元されるべきもの、換言すれば、経済学があれば政治学社会学も要らない、また少し前に引用した表現*1を捩れば、これはひどい唯物論者ですねということになるのだろうか。
また、リバタリアンについてよくわからないのは企業組織についてのスタンス。「個人の生活への政府の関与を最小にとどめようとする」というのはよろしい。しかし、現代社会において「個人の生活へ」「干渉」する組織は政府だけではない。