- 作者: ポールオースター,Paul Auster,柴田元幸,畔柳和代
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2004/07
- メディア: 文庫
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ポール・オースターの散文集『空腹の技法』(柴田元幸、畔柳和代訳、新潮文庫)を読了したのはかなり以前のこと。本書は、主にオースターの翻訳家/批評家時代の文章を集めたもの。全体はエッセイ、序文、インタヴューからなっている。
エッセイといっても、所謂身辺雑記ではなく、本格的な文学論であり、ここでいうessayとは試論という意味で解されるべきであろう。因みに、オースターがここで採り上げている作家や詩人の半数以上は、私にとって未知(或いは名前は知っていてもテクストを読んだことがない)の人であるが、オースターの文章はこの作家のテクストを読みたいという欲望を喚起してくれる。
I エッセイ集
空腹の技法
道程
カフカのためのページ――死後五十年にあたって
ニューヨーク・バベル
決定的瞬間
ダダの骨
真実、美、沈黙
サー・ウォルター・ローリーの死
ケーキから石へ――サミュエル・ベケットのフランス語について
流刑の詩
観念と物
死者の書
個的な私、公的な目
無垢と追憶
復活
カフカの手紙
アメリカの息子
摂理――エドモン・ジャベスとの対話
バートルブースの愚行
II 序文集
ジャック・デュパン
アンドレ・デュビューシェ
白地に黒――デイヴィッド・リードの近作
北極の光――ジャン=ポール・リオベルの絵画
二十世紀フランス詩
マラルメの息子
綱の上で
心配の技法
家庭人ホーソーン
見えない作家ジュベール
III インタビュー集
翻訳
インタビュー(with Joseph Mallia)
インタビュー(with Larry McCaffery and Sinda Gregory)
インタビュー(with Mark Irwin)
オースターが論じている作家・詩人について、自分用にメモ書きをする。「空腹の技法」はクヌット・ハムスン、「道程」はローラ・ライディング、「ニューヨーク・バベル」はルイ・ウルフソン、「決定的瞬間」はチャールズ・レズニコフ、「ダダの骨」はフーゴー・バル、「真実、美、沈黙」はローラ・ライディング、「流刑の詩」はパウル・ツェラン、「観念と物」はジョン・アシュベリー、「死者の書」はエドモン・ジャベス、「個的な私、公的な目」はジョージ・オッペン、「無垢と追憶」はジュゼッペ・ウンガレッティ、「復活」はカール・ラコシ、「アメリカの息子」はウィリアム・ブロンク、「バートルブースの愚行」はジョルジュ・ペレック。