「瀉血」そのほか

『読売』の記事;


無免許で「瀉血治療」、札幌の72歳療術師を逮捕


 北海道警札幌南署は25日、医師免許がないのに患部から血液を吸い出す「瀉血(しゃけつ)治療」をしていたとして、札幌市南区真駒内柏丘、療術師渡瀬正方容疑者(72)を医師法違反(無免許医業)の疑いで逮捕した。

 調べによると、渡瀬容疑者は、8月下旬ごろから11月12日ごろまでの間、自宅に設けた診療室で、札幌市の自営業男性(55)や名古屋市の自営業男性(50)ら3人に、腰痛などの治療目的で計4回にわたり瀉血治療を行った疑い。

 渡瀬容疑者は1990年ごろから違法治療を始め、これまでに北海道や東京都、沖縄、愛媛両県などの患者2000人以上から1000万円以上の利益を得ていたとみられる。

 調べに対し、渡瀬容疑者は「瀉血治療で膠原(こうげん)病やがん、脳こうそくなどの患者を治してきた。患者は口コミで集まってきた」と話しているという。

(2007年11月25日20時38分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071125i412.htm

そもそも毛唐は血の気が多いから定期的に血を抜かなきゃ、自分の血で逆上せちゃうんだとどなたかから伺ったことはある。その真偽については知らない。それはともかくとして、「瀉血」というのは西洋の伝統的医学における主要な療法のひとつで、あの三色の床屋のサインも「瀉血」に由来する。しかし、その「瀉血」が現代の、しかも東洋で行われているのか。上の記事によると、「医師免許がないのに」行ったので逮捕されたということだから、「医師免許」があればやってもいいことになる。1990年頃から20年近く行ってきたということだから、少なくとも実害はあまりなかったということだろう。もしあれば、逮捕はもっと早かった筈だ。それどころか、「患者は口コミで集まってきた」ということなので、(少なくとも主観的には)大いに治療効果はあったということになる。「患者2000人以上から1000万円以上の利益を得ていた」ということだが、単純に計算すれば、1人当たり5000円程度である。健康保険がきかないということなら、これもそんなに法外な額とはいえまい。
さて、「アリバイ会社」なる業種の存在を知る。同じく『読売』の記事なり;

風俗店女性に偽名刺、静岡のアリバイ会社を脱税容疑で告発


 風俗店に勤務する女性らを相手に、偽の名刺や給与明細書を発行するいわゆるアリバイ会社「北野グループ」(静岡県沼津市、今年8月に解散)が、2005年4月期までの3年間に約1億2000万円の所得を隠し、法人税約3500万円を免れていたとして、名古屋国税局が同社と北野裕子元社長(59)を法人税法違反(脱税)の容疑で、静岡地検に告発していたことが27日、わかった。

 関係者によると、同社は売り上げの一部を少なく計上して所得を圧縮する手口で、納税を免れていた。隠した所得は、北野元社長が個人的に使っていたほか、預金で残していたという。

 同社は1991年、東京都内で設立。実際の勤務先を明かしたくない人を顧客に、1件あたり数千円から数万円の手数料を取り、架空の勤務先名で給与明細書などを作成していた。06年に、本社を静岡県沼津市に移し、国税局の告発後の今年8月に解散した。

(2007年11月27日12時3分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071127i405.htm

これはあくまで「脱税」で告発されたのであり、「偽の名刺や給与明細書を発行する」こと自体は違法ではないということか。それにしても、何故自社の偽「給与明細書」を作ってもらわなかったのか。