「全体に公開」

『読売』の記事;


奈良の巡査、ミクシィ書き込み「明日は暴走族一斉検挙」
 奈良県警の20歳代の男性巡査が、インターネット上で会員同士が情報交換できる「ミクシィ」に、「明日は暴走族の一斉検挙」「国道でひき逃げ事件発生」など捜査情報を頻繁に書き込んで公開していたことがわかった。

 事件発生の一報や捜査着手の予定日、容疑者を逮捕したことなどを勤務中に携帯電話などを使って“実況中継”した書き込みも見られ、県警は「不適切な行動」として巡査を口頭で注意した。巡査は「軽率だった」と反省しているという。

 関係者によると、ミクシィの書き込みは8月ごろから始まったという。巡査のプロフィルの欄には、性別や住んでいる地域、誕生日が書かれ、職業と所属は「公務員」「奈○県×□署交通課」となっていた。

 8月24日午後1時57分には「国道165号で追突事故発生!! 追突された方負傷あり。追突した方は逃走の模様!! ひき逃げやん」「…っで覆面車両で署を出て、ちょっとしたら被疑車両発見し確保したって連絡が ちっ先いかれたか」などと記述。

 この事件の容疑者が緊急逮捕されると、「現在令状請求のため地方裁判所におります 逮捕状が出るまで時間がかかるから待ち時間で……」「これで連休は… 泣っ」と記していた。書き込みにある内容はいずれも事実だったという。

 10月2日午前0時22分の書き込みには、「明日ゎ某署の特別捜査本部がとうとう暴走族に対し逮捕令状が出たとのことで一斉検挙に着手するんで応援派遣で朝早く集合 んでボチボチ寝ます」とつづっていた。

 ミクシィの会員数は約1110万人(7月31日現在)。閲覧は会員に限定され、書き込む人が「全体に公開」「友人まで公開」「友人の友人まで公開」と公開の範囲を設定できる仕組みになっている。

 巡査の書き込みは「全体に公開」に設定されていたため、閲覧した人からの情報で書き込みが発覚した。県警の調査に対し、巡査は「友だちにしか見られないと思っていた」と話しているという。

(2007年11月8日14時32分 読売新聞)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071108i306.htm

結局オチは設定のミスということだろうか。
この人は既に退会してしまったのかもしれないけど、実際の交通警官がどのように勤務時間を過ごして、仕事をしているのかに関する興味深い資料になっていた筈だ。もったいないとは思う。警察に限らず、ホワイト・カラー系の仕事というのは、クライアントとの接触が中心であり、堂々とblog等で書ける内容ではないだろう。その結果、仕事の世界というのは(社会的領域としては対極的な親密圏と同様に)公共の眼を逃れる闇ということになってしまう。私の場合は、独りで仕事をしており、隣に無駄話をする同僚もおらず、守秘義務もあるので、blogなどでも言及できない。誰にもいえないというのは辛いということも時々ある。