Skelita_vergberさんのところで、「ヒトカラ」なる言葉を知る*1。まあ、カラオケというのは〈恥を掻くこと〉を相互で共有して、そのことで共同性なり集団の凝集性なりを高めるという社会的機能はあるのだと思う。要は〈恥ずかしさの共有〉なので、カラオケという場で見聞きしたことは原則として他言無用ということになるのだろう。勿論、逸脱されない原則はない。ところで、「ヒトカラ」ということを、晩年は〈カラオケ先生〉ということになってしまった故丸山圭三郎先生が生きていたら、どういうコメントをするかなと思ってもいたのだが、Skelita_vergberさんが引用する『毎日新聞』の記事によると、「ヒトカラ」を〈本番〉のための練習として位置づける人もいるという。この〈本番〉というのが〈のど自慢〉であるなら、映画『のど自慢』で描かれていたように、当然のことというか、さして驚くことでもない。
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さて、Skelita_vergberさんの別の記事*2で、新潟県関川村の「村八分」騒動のことを知る。日本のムラといっても、福武直(例えば『日本の農村』)以来、「西南型」と「東北型」の区別もあるし、
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ところで、私の恩師のH先生は以前にも記したように、シカゴ学派の「農民社会(peasant society)」論を受け継いだ人であり*4、専門の西班牙農村社会のほかに、日本の山村の調査もされており、また〈狐憑き〉のような〈共同体における排除〉問題にも関心を持たれていた。そのH先生が日本のムラ社会を理解するための必読書として挙げていたのは、例えばきだみのるの『にっぽん部落』(岩波新書)や『きちがい部落周游紀行』(富山房)であり*5、また守田志郎の『村の生活誌』(中公新書)や『日本の村』(朝日新聞社)だったが、
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話は変わるが、1980年代後半から90年代前半にかけて、中国南方の農村における〈械闘〉の話がけっこう日本のメディアでも報道されていたような気がするが、最近は全然そういう報道を目にしない。
*1:http://blog.livedoor.jp/skeltia_vergber/archives/50326496.html
*2:http://blog.livedoor.jp/skeltia_vergber/archives/50326154.html
*3:Cf. http://d.hatena.ne.jp/milkbottle/20060425 http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20070707/1183735132
*4:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070413/1176447434
*5:Cf. http://www016.upp.so-net.ne.jp/noko2/bookreviews/br009.html