銭塘江或いは中国水問題

 呉正懿「銭塘江遭40年最大泥沙〓*1積」『東方早報』2007年6月4日


海水の大逆流で知られる銭塘江*2下流は「1968年以来最大規模的泥沙〓積」に遭遇している。今年2月の時点で、下流杭州から海寧市塩官に至る流域に堆積した「泥沙」は3000万立方メートル、平均の高さは50センチであるという。その主要な原因として考えられているのは、2003年以来4年連続の渇水。そのため、今年秋の逆流はきわめて規模が小さくなると予測されている。
中国の水問題は深刻で、上海の近くでは、最近太湖における青藻の大発生が問題になっている。

以下、中国水問題についての最近の記事についてメモ;


稗田和博「北京の地下水が枯渇する? 中国の水問題――中国の「水危機」に警鐘を鳴らす、高見邦雄さんに聞く」『ビッグイッシュー日本版』73、2007、pp.14-15

『SUPER CITY CHINA ビジネス』2007年6月号
特集「枯渇する水〜13億の民を支える水はどこに〜」(pp.13-20)
「干上がる河川、枯れる井戸…“水難民”を生む砂漠の村」(pp.14-15)
「地下水の汲み上げで地盤沈下する首都」(p.16)
「干ばつ後に姿を消した花売りの女性」*3(p.17)
「白黒写真が映す20年前の湖に戻れるのか」*4(p.18)
「深刻な水質汚染で水需給が逼迫する中国」(p.19)
「日本の水処理技術が大地を救うのか」(p.20)


『SUPER CITY CHINA ビジネス』の記事を読んで、北九州市が公害防止技術の先進地として、中国を初めとする亜細亜諸国から研修生を受け入れていることを知る。
また、『ビッグイッシュー日本版』に載っていた土田朋水「“水”赤字国、日本。ヴァーチャルウォーター(間接水)から見える世界――沖大幹さんが語る、見えない水問題」という記事で、virtual water(「仮想水」、「間接水」)という概念を知ったのだが、この記事によると、淡水は世界の水の2.5%にすぎず、その淡水の3分の2以上が「氷河」や「永久凍土層」という「人間には利用できない」かたちで集積している(p.12)。

*1:yu1. やまいだれ+於。GB5157. 堆積の意。

*2:Cf. http://jp.zjol.com.cn/05jp/system/2005/10/14/006332211.shtml

*3:重慶の話。

*4:雲南省昆明の話。