太陽帝国

 陳怡「追憶1941、陽光燦爛的上海」『東方早報』2006年12月27日


J. G. バラードの『太陽の帝国』の中国語訳が上海訳文出版社から出版されたというニュースだが、スピルバーグの『太陽の帝国』は中国大陸でのロケを敢行した初めての聖林映画であり、その原作本が今まで出ていなかったのが不思議なくらい。
ところで、作家の陳丹燕が倫敦で講演したとき、昔上海の「愚園路」、つまりバラードの近所に住んでいた「孟麗」(モリー?)という「上海生まれの英国人」に、バラードの描写には全く事実ではないところが幾つもあるのに、『太陽の帝国』は「解釈当時在東方的英国人生活的権威」になってしまっていると指摘されたという。但し、「孟麗」は「巴拉徳在這本中衝破了属於他自己民族的意識形態和民族主義驕傲、完全表現出一個孩子対戦争的本能反応」ということを「贊賞」しているという。
訳者の董楽山氏は1946年に「上海聖約翰大学」を卒業した人。