Reproduction without intercourse

毎日新聞』2006年12月4日の相談欄から;


結婚して20年。子供も2人いて、はた目には幸せに見えるかもしれませんが、誰にも言えなかった秘密があります。それは、夫と性生活が一度もないということです。子供2人はいずれも人工授精で生まれました。夫は人に触れられるのが苦手で、手を触れただけでもとても嫌がります。他の男性との経験もなく、このまま一生セックスを知らないまま、年をとってしまうのでしょうか。


                 =九州在住、女性(44) 

スパム・メイルの釣りのための文言ではなく、大新聞に寄せられた相談なのだが、理解し難いのは寧ろその「夫」の方だ。セックスは嫌だけれど、子どもは欲しい? 「人工授精」で子どもを作るためには、生殖技術に関する専門的な情報を集めなければならないし、何よりも「授精」するための精子を独りで抽出しなければならない。この冷たい情念というのはどこから来ているのか。