5月に入って、上海のあちこちで揚げられて真っ赤っかになったザリガニ(小龍蝦)を売る店が目に付くようになった。
グルメとは下手物を厭わず口にすることと思ってはいるものの、上海に来てからザリガニを食べたことはない。だって、昔近所の田圃とかドブにいたあのザリガニですよ。とはいっても、似たような生息環境の田螺はけっこう食べているのだが。
さて、YUAN Qi “Settler’s Almanac—Xiao long xia(小龍蝦):crayfish”(Shanghai Daily 20-21 May 2006)という記事によると、ザリガニは1918年に北米から日本に持ち込まれ、さらに第二次世界大戦中に日本から中国大陸に持ち込まれ、長江下流域からだんだんと中国全土に広まっていったという。しかし、1990年代に至るまで、食材としてはあまり認識されていなかった。現在一般的な食べ方である様々なスパイスとともに油で揚げる食べ方はどこで始まったのかは正確にはわからないという。ある説では北京起源であり、ほかにも福建説や安徽説もあるらしい。
季節を感じさせるものとしては、道端で立ち売りしている桑の実*1。それから、市場やスーパーでは、茘子が出始めている。ただ、茘子といえば真っ赤と思っていたのだが、上海で今出回っている海南島産の茘子はあまり赤くなくて、実は緑のままである。そういう品種もあるらしいのだが、赤くない茘子にはあまり食欲が喚起されない。
*1:何故か、市場とかスーパーでは売っていない。