「青い目の」天皇?

 Japan Timesに掲載されたAssociated Press配信の” Female on throne could marry foreigner, Hiranuma warns”*1からの引用。平沼赳夫は以下のように言ったそうな;


"If Aiko becomes the reigning empress and gets involved with a blue-eyed foreigner while studying abroad and marries him, their child may be the emperor," Hiranuma told about 40 lawmakers, academics and supporters at a Tokyo hall. "We should never let that happen."
これが含む人種主義的な前提は言うまでもない。さらに、この平沼発言を紹介したhttp://d.hatena.ne.jp/kmizusawa/20060203/p3のコメント欄におけるLeiermannさん*2の発言によると、これを報じた日本語のメディアを見つけることはできなかったということだ。こちらの方が問題だ。
 この記事においては、所謂女系天皇に反対する人々は”traditionalists”と呼ばれているのだが、この表現だと、ある種の人々に〈伝統〉が一方的に帰属してしまっているかのような印象を与えてしまうのだが、このことについてはここでは議論しない。
 記事とは関係なく、〈反天皇制〉について。〈反天皇制〉を名乗る言論や運動は多い。不思議なのは、(管見の限りでは)〈共和主義者〉と名乗る人がいないということだ。一方が〈共和主義者〉と名乗ることによって、共和制か君主制かというpolityの選択の問題として政治になりうる。また、それによって、ルサンティマンだとかなんだとかを超えたクールな政治的問題としての議論が可能になるのだと思う。〈反天皇制〉を名乗る限り、政治的に無徴であるマジョリティとそこから逸れた有徴者(札付きの者)という対立に自らを閉じこめてしまうということにならないだろうか。