先週、Eテレで歌人の馬場あき子さん*1についてのドキュメンタリー、「歌詠みとして今を生きる 馬場あき子」*2を眠い中視ていたら、
という歌が出てきて、その瞬間、眠気が飛んでしまった。
ゆるきやらの群るるをみれば暗き世の百鬼夜行のあはれ滲める
さて、朝倉冴希という方は、この歌を巡って、
と書いている。
頭でっかちでゆるっとしたフォームと、特徴的な動きのせいもあるのかな。あのとき*3は百鬼夜行をイメージする恐ろしさとか不気味さは感じなかったけど、愛らしいゆるキャラもたくさん集まるとそこだけ少し異質で、なんなんだろうこれはと不思議な感覚になったのは確かです。
そういったある種の違和感みたいなものを「百鬼夜行」という言葉に託したとするならば、あの光景を思い出して納得せざるを得ません。
経済効果がどうのこうのってね。ふなっしー、くまモンに続けとキャラを作り過ぎて飽和したあげく、一時期の過熱ブームが過ぎればある程度のインパクトを残さなければ忘れ去られ・・・。そんな裏事情も透けて見えてくれば「暗き世」と相まって余計にそう思えます。
(「【今日の短歌】ゆるきやらの群るるをみれば暗き世の百鬼夜行のあはれ滲める (馬場あき子) 」https://dasaan.xsrv.jp/archives/18487
また、
という歌も*4。
妖怪の世に生れたるゆるきやらは地位低き妖怪の踊りするなり
中世というフィルターを通して21世紀のゆるキャラたちを見ると、こうなる?
*1:See also https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20060327/1143460895 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20110829/1314590337 https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2022/12/15/153438
*2:https://www.nhk.jp/p/ts/WQMY9J5P38/episode/te/R8V7VW1K5V/
*3:2013年の「Bグランプリ」。
*4:Cited in 神谷由希「2014年4月1日」http://www.tanka.org/pages/kahyo140401.html