森の危機

柴田智弘「千葉「川戸の森」大半が開発業者の所有に」『毎日新聞』(千葉版)2023年6月26日


千葉市中央区川戸町の市街化区域内で、「市民緑地」として開放されてきた雑木林「川戸の森」*1(1万3057平方メートル)の大半が開発業者の手に渡」っていたことがわかった。


川戸の森は1984年、市が民間の樹林地を借りて公開する制度に基づき、2人の地権者と1平方メートル当たり年20円の賃借契約を結び、「市民の森」として開放してきた。2016年4月からは、国の市民緑地制度を活用した市民緑地制度を活用した市民緑地契約に変更され、地元が管理してきた。市民緑地は固定資産税などが免除され、相続税で優遇を受けられる。近隣住民の憩いや保育園児の遊び場として親しまれてきた。

市によると今年2月、大半を所有する地権者から相続を理由に市民緑地契約の解除を求める申し出があった。市は4月、5月末をもって市民緑地が解除され、立ち入りができなくなる旨の通知を掲示した。6月1日以降、開放されているのは地権者の異なる1256平方メートルのみとなっている。
地元に対して、市は3月から説明を行ってきたが、保全を求める声が相次いでいる。森の管理や緑地保全を行う団体などは、「川戸の森を見守る会」*2を発足させた。集会では、市民から「防災の面でも重要」など保全を求める声が上がった。NPO「地球守」*3の高田宏臣代表は「ただ反対ということではなく、お互いの立場を尊重しながら、開発と緑地保全が両立できるよう協力しよう」と呼び掛けた。同会は5月31日、千葉市中央区の開発企業と市に対して、協議の場と森の一部存続を求める要望書を提出した。
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中谷秀樹「川戸の森を「閉鎖」 見守る会が千葉市に要望書提出」https://www.tokyo-np.co.jp/article/254002