韓国人は見た - Living, Loving, Thinking, Again

坂口裕彦「韓国人作家、収容中の様子語る」『毎日新聞』2023年１月31日

日本国内での「強盗事件」をフィリピンから指揮していたという「ルフィ」が暮らしてたとされるマニラの「ビクタン入管施設」に収容されていたことがある、ソウル在住の作家、金潤永氏（63歳）の証言。

（前略）首都マニラの「ビクタン入管施設」に、２０１９年５～９月に不法滞在者として収容された。施設にいる人とは今も連絡をとりあっているという。
当時は日本人約15人、韓国人約60人、中国人約２００人がいて、施設内では中国人と韓国人によるスーパーマーケットがそれぞれ運営されていた。日本人は、韓国のスーパーで食材などを調達することが多かったと振り返る。
施設内では、午前９時半から午後５時まで携帯電話を使うことが可能だった。資金力のある収容者は、複数の携帯電話を保有。自分のWi―Fiルーターも設置していた。
また、金さんは日本人のグループが施設内から携帯電話を使って特殊詐欺をしたり、インターネット賭博をしたりしていた姿を目撃することもあったと証言する。詐欺グループは４人１組で活動していたという。
金さんは「ビクタン入管施設は、通信が制限される刑務所とはまったく異なる。ここにいながらにして、すべて遠隔操作で知能犯罪を行うことが可能だ」と説明。一方で「当時、ルフィという名前は聞いたことがなかった」とも話した。

「通信が制限される刑務所とはまったく異なる」。というか、抑々「不法滞在者」というのは行政処分の対象ではあっても、刑法上の犯罪者ではないのだった。問題は、そのような「不法滞在者」と、何処であれ速やかに起訴されて裁判にかけられるべき「ルフィ」のような犯罪容疑者が混在していることなのでは？
さて、「ルフィ」の手下が襲撃して老人を殺害した狛江の家の映像を見たら、多摩川の河原ぎりぎりの立地で、山田太一の『岸辺のアルバム』*1を想起してしまった。