「か」と「は」の争い、或いは?

NHKの報道;


かっぱ寿司」運営会社社長に逮捕状 不正競争防止法違反容疑
2022年9月30日 11時19分


回転ずしチェーンの「かっぱ寿司」を運営する「カッパ・クリエイト」の社長が、以前勤めていたライバルチェーンの営業秘密に当たるデータを不正に持ち出したなどとして、警視庁は、不正競争防止法違反の疑いで社長の逮捕状を取りました。30日にも逮捕する方針です。

捜査関係者によりますと、「かっぱ寿司」を運営する「カッパ・クリエイト」の田邊公己社長(46)はおととし、競合する別の回転ずしチェーン「はま寿司」*1の営業秘密に当たる情報を不正に持ち出したなどとして、不正競争防止法違反の疑いがあるということです。

警視庁は去年、「はま寿司」からの刑事告訴を受けて捜査を進めていましたが、仕入れ値に関するデータを不正に持ち出した疑いなどで社長の逮捕状を取ったことが、捜査関係者への取材で分かりました。

社長は、かつて「はま寿司」の役員を務めていて、おととし、その親会社から、「カッパ・クリエイト」の顧問に転職し、副社長を経て去年、社長に就任していました。

カッパ・クリエイト」は東証プライム上場で、全国に「かっぱ寿司」300店舗余りを展開しています。

警視庁は30日にも社長を逮捕する方針で、詳しい動機やいきさつの解明を進めることにしています。


カッパ・クリエイト「深くおわび 現在 事実確認中」
かっぱ寿司を運営するカッパ・クリエイトは「関係者の皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけし、深くおわび申し上げます。現在、事実確認を行っているところです」などとするコメントを出しました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220930/k10013842961000.html

昨年7月にも、田邊公己氏の「不正競争防止法違反容疑」で警視庁が「 カッパ・クリエイト」のガサ入れを行ったという報道があった。
朝日新聞』;

かっぱ寿司社長 競合他社の情報不正入手か 警視庁捜査
2021年7月5日 21時52分


 回転ずし大手「かっぱ寿司」を運営するカッパ・クリエイト(本社・横浜市西区)の田辺公己社長が、競合する「はま寿司」の営業秘密を不正に取得したとして、警視庁から不正競争防止法違反容疑で捜査されていることがカッパ社への取材でわかった。

 同社によると、6月28日にカッパ社の本社が家宅捜索を受けたという。田辺社長は同社顧問に着任した2020年11月~12月中旬に複数回、はま寿司の関係者から日次の売り上げデータなどをメールで受理した疑いがある。田辺社長はカッパ社に入るまではま寿司の親会社「ゼンショーホールディングス」に勤めており、メールの送信元は元同僚だったという。

 カッパ社は田辺社長に経緯を聞き取ったとした上で、「はま寿司や関係者に多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを深くおわび申し上げます。捜査に全面的に協力し、進展を踏まえた上で、厳正に対処して参ります」などとするコメントを発表した。
https://www.asahi.com/articles/ASP756W3PP75UTIL062.html

「警視庁は去年、「はま寿司」からの刑事告訴を受けて捜査を進めていました」というのはこのことか。ただ、今回問題になったのは「仕入れ値に関するデータ」であるのに対して、昨年問題になったのは「売り上げデータ」であるけど。
昨年の朝日の記事を読むと、これは田邊氏の単独犯ではない。はま寿司の内部に田邊氏の協力者が存在して、データを提供していることになる。「かっぱ」と「はま」の争いというほかに、「はま」内部での抗争が存在しているということだろうか。そもそも「はま寿司」の役員だった田邊氏が「かっぱ寿司」に転職した経緯は如何なるものだったのか?
背景として(Wikipediaから);

かっぱ寿司は業界トップクラスの売上高を誇ってきたが、スシロー、くら寿司、はま寿司といった競合他社が店舗オペレーションの機械化・IT化を図りつつ台頭してきたことにより首位の座を奪われ、競争の激しい回転寿司業界で「一人負け」の形となった。かつては業界首位であったが、2011年にスシローに抜かれ、その後はくら寿司、はま寿司にも抜かれ業界4位に転落。2014年にコロワイドに買収され、立て直しを図った。その一因は2012年からの経営合理化による利益率向上のための原価率圧縮にあるとされ、「おいしくない」「ネタが小さい」などの悪評が広がり客足が遠のいたとされる。売上原価率では43.7%と低かった(2014年第二四半期。スシローが同時期48.3%)。後の2017年、4-6期には原価率を48.5%まで引き上げたものの、既存店の客数は減少を続けた。

2013年11月29日、同業第5位である栃木県宇都宮市に本社を置く元気寿司と、早ければ来年度中に経営統合をすることを前提に業務提携すると発表。また同日付で、筆頭株主であるコメ卸最大手である神明の藤尾益雄社長がカッパHDの代表取締役会長兼社長に、元気寿司社長である法師人尚史が社長執行役員に就任した。

しかし、2014年10月2日の日本経済新聞に元気寿司との経営統合交渉を一度白紙に戻し、その上でコロワイドからの株式公開買付け(TOB)や第三者割当増資を受け、コロワイド傘下に収め経営を再建すると報じられた。その背景としては、現在の両社の筆頭株主で統合を推進してきた神明ホールディングからの支援を受けている両社双方の経営統合交渉が思うように進まず、客足が伸び悩み、既存店売上が2014年6月以後、2013年の同月実績を下回る状態が続いていたことを挙げている。その報道に対し同日カッパ・クリエイトホールディングス側は「決定した事実はない」としていたが、同月27日に元気寿司との業務提携解消および、神明ホールディングとの資本提携解消。コロワイドの完全子会社のSPCカッパによるTOBに応じることを正式発表した。同年12月4日に、SPCカッパによるTOBと第三者割当増資引受けの結果、コロワイド連結子会社となった。同月17日、代表取締役コロワイド出身の五十嵐茂樹に交代した。

2015年10月1日、中間持株会社となっていたカッパ・クリエイトホールディングス株式会社は、事業子会社のカッパ・クリエイト株式会社を吸収合併し、カッパ・クリエイト株式会社に商号変更した。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%B1%E5%AF%BF%E5%8F%B8