或る死亡記事の話

David Moye “Florida Man Pulls No Punches In Brutal Obituary For His Father” https://www.huffpost.com/entry/lawrence-pfaff-sr-brutal-obituary_n_62c5cd31e4b0d740197e5da3


通常、死亡記事にはいいことしか書かれない。最初から、読者もそれを割り引いて読む。しかし、フロリダ州のローカル新聞に、故人は家族の虐待を趣味とする自己陶酔的なアル中だったとする死亡記事が掲載された。しかも、著者は実の息子。他の親族も記事の事実性を認めている。
その内容以前に、そもそも死亡記事というのは良くも悪しくも社会的な名士(有名人)が死んだときに出るものでしょう。逆に言えば、あなたがセレブかどうかは死んだときに新聞に訃報が掲載されるかどうかで決まる。この父親は紐育で警察官をやっていたこともあるようだけど、基本的にはセレブとは対極的な無名人だろう。読者投稿という仕方ではあれ、米国のローカル新聞では無名人の死亡記事も掲載されてしまうんだ! と驚いた。さらに、インターネットに乗って、全世界に発信されてしまう。新聞側は、不適切な記事を載せてごめんなさいと一応謝罪したようだけど、まだ記事は削除されていない。また、父親の追討記事を書いた息子へのインタヴュー記事も読める;


“Lawrence H Pfaff Sr.'s Obituary” https://www.jacksonville.com/obituaries/pfla0245589
Beth Reese Cravey “'No redeeming qualities': Jacksonville man writes brutally honest obituary for estranged father” https://www.jacksonville.com/story/news/local/2022/07/06/jacksonville-man-free-after-writing-abusive-fathers-unflattering-obit/7810066001/


58歳になった息子は9歳の時に、父が家を出ていってしまい、多くの兄弟姉妹が存在することをDNA検査によって最近ようやく知ったのだという。