「道」から「ガーデン」へ

山川陸「INTERVIEW 藤原徹平(建築家/フジワラテッペイアーキテクツラボ主宰)」『神奈川芸術プレス』(神奈川芸術文化財団)159、p.15


建築家、藤原徹平へのインタヴュー。
昨年Pavilion Tokyo 2011*1の一環として展示されたインスタレーション「ストリート・ガーデン・シアター」*2は、最初、別様の作品として構想されていた。


-――「ストリート・ガーデン・シアター」は、どのように構想されていったのでしょうか。

現代の都市って表面的にはきれいになったけれど、いろいろ隠されていますよね。かつては駅前も商店街も様々な人の訪れる雑多さのある「広場」で、そんな場所を改めてつくれないかと考えました。そこで、歌舞伎や能のような芸能が演じられることで特別の時空間がつくられてきた「道」をテーマにしました。ストリートは劇場の起源であり、またインフォーマルな「広場」です。オリンピックの期間、ここでパフォーマンスなどが自由に発表されたら面白いと思いました。


――新型コロナの影響で企画が延期され、藤原さんのパビリオンは「劇場のような道」から「植物と人のための劇場」へと変化しましたよね。

都市から広場のような雑多さが消えている理由の一つは、人々があまりに速く動きすぎているからかもしれません。以前のように動き回れず家族と近所で過ごすなかで、外から何かを持ってくるのではなく、自分のまわりを耕していくような時代が来ると感じました。そこで、土地に植物を生やし、メンテナンスし続けることで広場をつくることをテーマに変えました。毎日みんなで水やりをして、植物のことを考える。普段の仕事や打ち合わせもそこでして、リサーチをまとめたZINEをつくったり、様々な活動を見せることにしたんです。

*1:https://paviliontokyo.jp/

*2:https://paviliontokyo.jp/pavilion-fujiwara/ https://www.instagram.com/streetgardentheatre/ See eg. 「こどもの城の前に"ストリートガーデンシアター"」https://www.hepatica-journal.com/post/street-garden-theater Akio Mitomi「【速報】岡本太郎《こどもの樹》を囲む、藤原徹平による緑の道。「パビリオン・トウキョウ2021」メイキングレポート。」https://casabrutus.com/architecture/192346 Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/2021/08/23/011303