視覚だけでなく

FNNの報道;


おひたし食べ意識失う 実はトリカブト 店で提供 なぜ間違えた?
6/4(金) 19:21配信


フジテレビ系(FNN)

富山市の飲食店で出された、料理人が腕を振るった料理。
5月、その中のおひたしを食べた客2人が、意識を失うなどし、病院に救急搬送された。

実際に店で出された、おひたしに入っていたもの。

実は、猛毒の「トリカブト」だった。

根を1グラム食べるだけで、死に至るおそれがあるトリカブト

なぜ、おひたしに入っていたのか?

植物園で実際の葉を見せてもらうと、そのわけが見えてきた。

食べられる「モミジガサ」という野草の葉と、「トリカブト」の葉を見比べると、見た目がよく似ている。

飲食店で出されたおひたしは、山から野草を採ってきて作ったものだった。

今回、トリカブトを誤って提供した店主は、山菜採りのベテラン。

富山県中央植物園・中田政司園長は、「トリカブトとモミジガサは、同じようなところに生えている。ここに生えているから大丈夫とはいえない植物」

救急搬送された2人は、その後回復し、退院している。
https://news.yahoo.co.jp/articles/ae209b50bed2f6201a7d7dfc3413906ce11f1223

「おひたし」ということは、いったん湯掻いて冷やしたわけだ。つまり、一度加熱しても毒は消えない。また、口の中に入れたら直ぐに違和感が沸き起こるというわけでもないようだ。「食べると、10分から20分の間に口や舌がしびれ始め」る*1。匂いについての言及が全然見つからなかったのだけど、多分、鳥兜に特徴的な匂いというのもないのだろう。つまり、視覚的にも味覚的にも嗅覚的にも鳥兜を弁別することは困難だということになる。
2016年にも鳥兜を紅葉笠だと誤認して死んでしまったという事件が起こったらしい*2。2017年には、桑港のチャイナタウンの薬屋で売られていたハーブ・ティーに鳥兜が入っていて、飲んだ人が病院に搬送されている*3。まあ、鳥兜というと、1986年に沖縄で起こった保険金殺人事件の印象がいまだに強い*4

*1:富山テレビ「“山菜採りのベテラン”が間違える…おひたしに有毒植物『トリカブト』食用山菜との見分けは「山では困難」」https://news.yahoo.co.jp/articles/018218e1e480334dc8790c851376a5b906f38485

*2:https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A2%E3%83%9F%E3%82%B8%E3%82%AC%E3%82%B5

*3:See “Two people critically ill after drinking toxic herbal tea” https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2017/mar/11/two-people-critically-ill-after-drinking-toxic-herbal-tea Mentioned in https://sumita-m.hatenadiary.com/entry/20170313/1489375221

*4:See 吉田浩貴「トリカブト毒を使った保険金殺人・神谷力」http://ww5.tiki.ne.jp/~qyoshida/jikenbo/011torikabuto.htm