発端は物理学者を名乗る方のツィートだった;
日本語、韓国語、モンゴル語、中央ユーラシアの国々の言語、トルコ語、みんな同系統の言語です。アルタイ諸語と呼ばれています。膠着語と呼ばれています。多分、満州辺りがルーツの言語です。
— Shintaro Sawayama (@sawayama0410) 2020年6月20日
それを読んで、反射的に「日本語と韓国語の語族への帰属は不明になっている筈」とコメントしてしまった;
日本語と韓国語の語族への帰属は不明になっている筈ですけど。 https://t.co/zBeypdqC1g
— SUMITA MIKIO (@MikioSumita) 2020年6月21日
元のツィートに対するコメントに以下のようなものがあった;
30年ほど前の言語学のテキストを見ると日本語はウラル・アルタイ語族に入っているのですが、最近の言語学のテキストでは日本語は孤立語という範疇に入っています。同族であるというには語彙や音韻体系の共通性が証明できない故でしょうか?
— sunmarco (@sunmarco88) 2020年6月20日
話が縺れてる! ここで「孤立語」というのは「語族への帰属」が「不明」な言語という意味で使われているのだろうけど、通常「孤立語」というと、「屈折語」「膠着語」「抱合語」と並ぶ言語類型のひとつということになる。「孤立語」の代表は中国語、「屈折語」の代表はサンスクリットや羅典語のような印欧語族の言語、「抱合語」は(東亜細亜では例えば)アイヌ語があり、日本語や朝鮮語、或いは「アルタイ諸語」は「膠着語」に属す、とか。日本語では助詞(てにをは)を接着剤(「膠」)として名詞や動詞を繋いでゆく。以前、世界の言語は膠着語に収斂するように変化しているとか思いついたことがあるのだけど、どうなのだろうか。中国語、特に標準語になっている現代の北方方言はモンゴル語や満洲語の影響で古典的な漢文と比べれば遥かに膠着語的になっているし、印欧語族でもその最西端である英語は格変化が衰退したために、前置詞の働きが突出して、ほぼ膠着語といっていい状態になっている。
「語族への帰属」が「不明」な言語は、Wikipediaでは「孤立した言語」、”Language isolate”として項目が立てられている*1。