宮城まり子

NHKの報道;


俳優の宮城まり子さんが死去 「ねむの木学園」を設立
2020年3月23日 11時35分


歌手や俳優として活躍し、日本で最初のからだの不自由な子どもたちのための養護施設「ねむの木学園」*1を設立した宮城まり子さん*2が21日、悪性リンパ腫のため東京都内の病院で亡くなりました。93歳でした。

宮城まり子さんは昭和2年に東京で生まれ、歌手として昭和30年に「ガード下の靴みがき」がヒットし、俳優としても舞台や映画で活躍しました。

ボランティア活動にも取り組み、昭和43年に日本で最初のからだの不自由な子どもたちのための養護施設「ねむの木学園」を、今の静岡県御前崎市に作りました。

「ねむの木学園」は平成9年に静岡県掛川市に移され、大人の障害者のための施設「ねむの木のどかな家」や美術館などを併せ持つ「ねむの木村」へと発展しました。

この間、宮城さんは、「ねむの木学園」の子どもたちを生き生きと描いた「ねむの木の詩」や、「HELLO KIDS!」などの映画を製作・監督し、多くの賞を受賞しました。

宮城さんは、平成6年に亡くなった作家の吉行淳之介さんと長年にわたって生活を共にし、お互いよき理解者として支え合い、ねむの木学園などの建設を実現させました。

宮城さんは去年、がんと診断されたことを公表し、ねむの木学園によりますと、先月には肺炎で掛川市内の病院に入院し、その後、悪性リンパ腫のため東京都内の病院に移って治療を受けていました。

93歳の誕生日にあたる21日の朝、学園の職員に見守られながら息を引き取ったということです。


学園の教諭「亡くなる数日前まで子どもを気にかける」
宮城まり子さんが園長を務めていたねむの木学園で、宮城さんとともに入所する人たちの指導に当たっていた梅津健一教諭は、「亡くなる数日前まで子どもたちの様子や体調を気にかけていて、ことし8月に静岡市で行う予定の子どもたちのコンサートも一緒にやると意気込んでいた。子どもたちに先生の死について“お空に向かってお出かけになった”と伝えると、静かに受け止める子もいれば、涙を流したりパニックになったりする子もいた」と話していました。

また、今後の学園の運営については、「今後のことはまだ白紙だが、先生の理念を受け継ぎ、子どもたちをしっかり守っていきたい」と話していました。

ねむの木学園では、今月27日に入所する人たちと職員のみで宮城まり子さんとのお別れ会を行う予定だということで、その後、学園に一般の人向けの献花台を設置するということです。


掛川市長「ねむの木学園は市の誇り」
「ねむの木学園」がある静岡県掛川市の松井三郎市長は、「宮城先生には福祉や文化振興など大変にお世話になっていた。100歳までは頑張っていただけると思っていたので本当につらい思いだ。ねむの木学園は掛川市掛川市民の誇りで、これからもしっかりと守り、引き継いでいきたい」と話していました。


静岡県健康福祉部長「福祉の世界のパイオニア
静岡県健康福祉部長で、35年前から障害児福祉などで宮城まり子さんに協力を求めてきた宮城島好史さんは「親が育てられない重い障害のある子どもが入れる施設を初めて作ったのが宮城さんで、のちに国も制度化した。『補助金制度がないことはできない』という福祉の世界の常識の中で、宮城さんは『私が自分でやるから』と、本当に困っている人に手を差し伸べてくれた。福祉の世界のパイオニアというべき存在で、亡くなったのは悲しく残念だ」と話していました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200323/k10012344701000.html

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