陰暦新年

承前*1

沖縄では陰暦の新年を祝う。
琉球新報』の記事;


沖縄はきょう大みそか 市場に餅や豚肉を求める客 旧正月で準備
2020年1月24日 18:11
旧正月コレラ 豚熱 市場


  25日は旧暦の1月1日。トゥシヌユール(大みそか)の24日、「海人(うみんちゅう)のまち」で知られる沖縄県糸満市糸満の市公設市場は朝から旧正月用の餅や豚肉、カマボコ、切り花などを買い求める客でにぎわった。市公設市場は建て替え工事が進んでいる。現在の建物では最後の旧正となり、買い物客からは昔ながらの雰囲気が漂う施設の取り壊しを惜しむ声が聞こえた。

  市公設市場の近くで生まれ育ったという玉城直子さん(51)=同市糸満=は「毎年、大みそかは市場で買い物をしている。小さい頃は市場周辺で遊んでいたので取り壊しは寂しい」と残念そうに話した。
 
  いなみね精肉店3代目の大城武志さん(63)は「親の代に戦後すぐの青空市からやっている。取り壊しで歴史が終わるようだが、新市場は若い人たちの力で活気づけてほしい」と期待を込めた。いなみね精肉店では豚熱(CSF、豚コレラ)の影響で予約の取り消しが5件ほどあったが、全体への影響は少ないという。買い物客も「例年通り三枚肉や中味汁など豚肉料理を作ります」と話していた。

  現在の市場は本年度中で営業を終了する予定。4月から「糸満市場(いちまんまちぐゎ~) いとま~る」がプレオープンする。【琉球新報電子版】
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1062668.html


鮮やかな大漁旗旧正月をお祝い 糸満、豊漁願う
2020年1月26日 06:30
旧正月 大漁旗


 【糸満旧正月の25日、海人(うみんちゅ)の町・糸満市糸満漁港では、漁師らが1年間の豊漁を願い、漁船に色鮮やかな大漁旗を掲げた。汗ばむ陽気の下、カメラを手に多くの人が訪れた。白銀堂では市民らが初詣し、家族の健康を祈願した。

 糸満漁港で大漁旗をバックに双子の心菜ちゃん(3)と颯真ちゃん(3)を撮影していた玉城美千代さん(32)=糸満市=は「糸満市(し)大里の出身だが大漁旗を初めて見た。立派ですごい。今日は天気も良くていい記念になった」と笑顔を見せた。

 4人の子どもらと白銀堂を訪れた稲嶺あゆみさん(43)=糸満市=は「毎年、家族の健康を祈願しに来ている。新年も子どもたちがすくすく育ってほしい」と願った。長男の凛士さん(10)=糸満南小5年=は「野球がうまくなるようにお願いした。スタメンを目指します」と話した。
https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1063359.html

旧正月」という表現は止めてほしいよね。実際、「旧」ではなく〈現〉じゃないか。また、「旧」にはネガティヴなニュアンスがある。英語ではLunar New Yearということが多い*2。直訳すれば月新年だけど、陰暦新年が日本語表現としては妥当だろうか。
何故、日本人(ヤマトンチュ)が陰暦の新年を当たり前のように「旧正月」と考えてしまうのか。ここで詳しく論じることはできないけれど、明治天皇制政府による陰暦(〈旧暦〉)に対する徹底的な弾圧ということを考えなければならないと思う。それに屈服する中で、「旧」であることが自然化されていった。まあ、陰暦の抑圧のせいで、天皇制の根幹たる大嘗祭の意味も不明になってしまったわけだけど*3