2倍弱

安田峰俊「その数400校! 中国で「ニセ大学」による入試詐欺が増えている理由」https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20190305-00010937-bunshun-int&pos=1


2017年6月時点で中国大陸に存在している「虚假大学」の数は392。2015年に拙blogで「虚假大学」を取り上げたときは中国全土で210だったので*1、その後2倍弱増えているということになる。
ところで、安田氏は「虚假大学」は「野鶏大学」ともいい、またディプロマ・ミル*2も「野鶏大学」と訳すという。私の感覚では、「野鶏大学」は専らディプロマ・ミルのことであり、フェイク大学という意味で使われているのは殆ど見たことがない。それから、「野鶏」は「野良ニワトリ」ではなくキジのこと。手許の電子辞書に曰く、「漢の呂后の名が”雉”であったので、これを避けて、キジを”野鶏”と呼び替えたという」。もっとポピュラーな意味では、立ちん坊の娼婦、街娼。
「虚假大学」の被害者の多くは、「「合格」後に入学金や学費の名目で数万元(日本円で10万~50万円程度)を振り込み、その後は大学側から音沙汰なし……(もしくは「入学」前に記載の住所に行ってから騙されたことに気付く)」ということになる。しかし、2015年に発覚した、4年間(「 虚假大学」どころか国家重点大学である)武漢大学で無学籍のまま、学生寮に住み、授業や試験を受け、〈卒業〉直前にようやく騙されていたことに気づいたという事件は、安易で雑な諸々の「 虚假大学」とは一線を画しているようだ*3
「虚假大学」が蔓延る背景としては、中国人に〈官〉に対する不信感が、にも拘らず〈裏口(後門)〉を使えば何とかなると〈官〉をなめている態度が存在すること、また〈裏口(後門)の鍵(コネ)を持っていると自称する人間もけっこういて、何故かそういう人たちに対する不信は非常に低いということがある。