階段を上って?

承前*1

一橋文哉「「チクショー。やめろ」 オウム真理教・麻原死刑囚最後の日」https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180829-00010000-voice-pol&p=1


麻原彰晃死刑執行に便乗して(?)緊急に出版されたらしい『オウム真理教事件とは何だったのか?』という本の抜粋。一橋文哉という人については、元々毎日新聞の関係者で、「一橋」というのがそのことを示しているらしいということ以外、殆ど知らない。
前半では、死刑囚の日常生活が紹介されている。麻原彰晃松本智津夫)最後の数分間が描かれているのは後半。但し、元検事の前田恒彦*2は、この記述の真正性を否定している;


そもそも、東京拘置所の収容棟や刑場の構造と根本的に食い違っており、信用に値しません。

刑場は地下にあり、死刑囚は独房を出ると地上階の収容棟からエレベーターで刑場のある地下フロアまで一気に下ろされます。そのフロアには廊下を挟んで左右に扉がありますが、一番手前左側の扉を開けると教誨室です。

次に再び廊下を歩き、今度は一番奥右側の扉を開けると前室があり、ここで正式に執行を告げられます。カーテンで仕切られた隣が執行室で、そのまま進んで踏み板の上に立たされ、執行されます。

すなわち、東京拘置所で死刑囚が執行当日に階段を上るというプロセスはありません。暴れられたりすると、執行が困難になるからです。

こうした刑場の客観的構造は、松本元死刑囚の執行に立ち会った刑務官であれば、誰でも分かっていることです。ネタ元の「拘置所関係者」は、少なくとも彼らではないでしょう。
https://news.yahoo.co.jp/profile/author/maedatsunehiko/comments/posts/15355480564662.bbea.31121/