消えたポンダイ

承前*1

坂本英樹「細かなことだが、些細ではない、関西学院大学を「かんさいがくいん」と呼んだ日大監督の罪」http://blogs.itmedia.co.jp/sakamoto/2018/05/Kwansei-Gakuin-Nichidai-sap.html


曰く、


関西学院大学」は、「かんせいがくいんだいがく」と読むというのは、大学関係者の常識です。それを「細かなこと」と考える意見も見ます。確かに、読み間違いって大きなことではありません。しかし、アメリカンフットボールのライバルとして長年対戦してきた相手、日本大学フットボール部の監督が、ありがちな間違い「かんさいがくいんだいがく」と謝罪の会見で呼んでしまったはなぜか?非常に疑問があります。よく間違えられるから注意してちゃんと読むのが大事だと、いうのが常識なのに、それを謝罪の席で二度も間違い周りも注意しないというのは、日頃からわざと間違えた呼び名で呼び習わしていて、日大関係者もそれになじんでいたので注意しなかったとか、そういう構造的な問題がはらんでいることを想像せざるを得ません。
「わざと」かどうかはわからない。

関西学院大学については、歴史的経緯で「かんせいがくいんだいがく」正確には「くゎんせいがくいんだいがく」と発音し、英語表記も Kwansei Gakuin University と、そう徹底されていて、ありがちな間違いはひどく嫌われています。日本大学が「にっぽんだいがく」と呼ばれると侮辱に感じるのかは存じませんが、ちゃんと接していて知っていたら、「にほんだいがく」と当然呼ばれるわけで、それを間違える、それも試合をよくやっているライバル校からだと、よほどおかしいことだと分かるだろうと思います。

エンタープライズIT業界にも関西学院大学と似た話があります。ドイツを本拠とするERPソフトの巨人、SAPを「サップ」と呼んだら出禁になるという「常識」です。20世紀も97年ぐらいまでそれほど知られてなくて、「サップ」と呼ばれる方が多くて私も呼んだことがあるのですが、そう呼んだら怒られるからと教わりました。ちゃんと呼ぶようにと徹底をした人がいて業界内には浸透したわけです。そういう経緯はある程度関心があったら分かることなので、新卒の就活生が面接で「サップ」呼ばわりしたら、場が凍りつくこと必至でしょう。

SAPってどう念むの? エス・アー・ペー? 関係ないけれど、BMWをベー・エム・ヴェーと念む人とビー・エム・ダブリューと念む人がいるじゃないですか。上野千鶴子先生はどちらなのだろうか*2。「にっぽんだいがく」で思い出したのだけど、一連の騒動の中で、日本大学の蔑称であるポンダイという言葉は見かけないね、と思った。TVはわからないのだけど、誰かがポンダイというと、アナウンサーが透かさず、只今不適切な発言がございましたのでお詫び申し上げますというのだろうか。
さて、


おおしまりえ*3「“日大ブランド”ってあるの?「特徴は…無難」とOBの実感」https://joshi-spa.jp/855414


日大藝術学部出身なのだという。


東大や京大、慶應や早稲田など、名前だけで何となく良いイメージができる大学と違い、日本大学という言葉から想像できるイメージは正直「マンモス」ぐらいです。一応、日本の社長の出身大学で最も多いのが日本大学らしいのですが、社長といっても様々ですし、日本大学にビジネス色を強く感じる人は少ないでしょう。

最近はJALの国内線でCMを放送するなど、広報活動にも積極的な日本大学。全16学部87学科、在校生は7万人、卒業生は約100万人。名実ともにマンモス校といえる大学です。

 著者は日本大学の中でも少し特殊な日芸出身ですが、過去に様々な学部の日大生と接する機会がありました。ひとくくりにされがちな日本大学ですが、その雰囲気は学部によって当然全く異なります。しかしどの学部の生徒や出身者にも感じるのですが、いい意味でも悪い意味でも、“無難を求める庶民的思考”があるように感じます。

日本大学のどの学部も中堅レベルに位置することと、内部からの推薦枠が多く、無難な選択をしがちな人が集まっていると思うのです。

 昨今の問題により「今年のFラン大学受験生は、日本大学が狙えるぞ」なんて揶揄されるほど、日本大学の位置は、悪くもないけど良くもない、微妙なポジションといえるのです。

See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20180604/1528124480