「70年戦争」

承前*1

Oricon News「教育者とクリエイターの70年戦争」http://www.asahi.com/and_w/interest/entertainment/CORI2111115.html


3月30日に北海道が稀見理都氏の著書『エロマンガ表現史』を「有害図書」に指定した事件に因んで、戦後日本の「有害図書」の歴史を振り返る。「70年」だが、「有害図書」の根拠となる各自治体の「青少年保護育成条例」は、70年前の1948年に茨城県真壁郡下館町(現在は筑西市)で制定されたのが嚆矢とされる。但し、そのときはまだ「有害図書」云々ということはなかった。「図書による青少年の保護育成に関する条例」の最初は1950年の岡山県永井豪*2の『ハレンチ学園』に関する記述に多くのスペースが割かれているのだが、『ハレンチ学園』は全国の〈良識的な人々〉(笑)による徹底的なバッシングを受けたものの、何処でも「有害図書」に指定されることは免れていたのだった。まあ1950年代には、「漫画」それ自体が〈悪〉であったわけで、手塚治虫の『鉄腕アトム』が「悪書」として「焚書」されたということもあったのだった*3。ところで、あの大塚英志*4も「有害図書」指定を食らったことがあるということを知った。『多重人格探偵サイコ』という作品によって。タイトルを見ると、あまり「エロ」とは関係なさそうなのだけど。