学習効果(長妻昭)

長妻昭*1「安倍首相の“ごまかし答弁”の姿勢が官僚に伝播 〜前代未聞の不祥事続発の背景〜」https://www.huffingtonpost.jp/akira-nagatsuma/abe-20180418_a_23413926/


曰く、


「大将というものは敬(うやま)われているようでその実、絶えず家来に落ち度を探されている」――。徳川家康が大将の心構えについて息子に語った言葉とされている(「徳川家康山岡荘八著より)。

リーダーは、部下から、その言動を厳しい目で見られている、このことを常に肝に銘じなければならない。政治家である私たちほどそうだ。

安倍首相も部下たち(閣僚や霞が関)から、その一挙手一投足を、穴のあくほど見られているのだろう。この5年間の安倍首相の国会での、質問者を小ばかにしたような答弁、質問とは別のことを長々と話す"はぐらかし答弁"など、真摯に事実を語ろうとしない姿勢を部下たちはじっくり見ていた。はじめは批判的に見ていた人もいただろうが、5年の長期政権ともなれば、その姿勢に追随をしたほうが首相からの覚えめでたくなると考える部下たちが出てきても不思議ではない。

今回の政府の信じられない数々の不祥事の背景には、安倍首相の悪しき姿勢が部下たちに伝播してしまったということもあるのではなかろうか。

首相秘書官による「首相案件」発言疑惑*2財務省による森友学園に関する公文書の改ざん*3自衛隊の日報隠し、裁量労働制の比較データねつ造など深刻な不祥事が止まらない。国会や国民に真摯に説明しない姿勢は、安倍首相の答弁姿勢と重なる。


今回、特にイラクの日報隠しには背筋が凍った。小野寺防衛大臣が「無い」と答弁していたイラクの日報が今年発見されたと謝罪して間もなく、今年ではなく昨年3月にすでに発見されていたことが判明したのだ。自衛隊は、大臣からの日報を探せという命令に背いて、あったものを無いことにしていた。自衛隊が国会や国民、ましてや防衛大臣のコントロールも効かなくなっているという証左だ。

日本は、戦前、軍部が暴走した反省に立って、政治家たる文民が、自衛隊に対して最高指揮権を持つシビリアンコントロール文民統制)をしっかり効かせて軍事に対する政治の優先を確立することとした。この大原則が崩れようとしている。

また、1945年12月に刊行された『旋風二十年 解禁昭和裏面史』の話。