- 作者: ヴァルターベンヤミン,野村修
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1994/03/16
- メディア: 文庫
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最近ヴァルター・ベンヤミン「歴史の概念について」(aka 「歴史哲学テーゼ」)から引用を行った*1。
第14の断章も引用しておく(エピグラフのカール・クラウスの引用は省略);
歴史という構造物の場を形成するのは、均質で空虚な時間ではなくて、〈いま〉によってみたされた時間である。だからロベスピエールにとっては、古代ローマは、いまをはらんでる過去であって、それをかれは、歴史の連続から叩きだしてみせたのだ。フランス革命はローマの自覚的な回帰だった。それは古代ローマを引用した――ちょうど、流行が過去の衣裳を引用するように。流行は、アクチュアルなものへの嗅覚をもっている。たとえアクチュアルなものが、「昔」というジャングルのなかの、どこをうろついていようとも。流行は、過去への、狙いをさだめた跳躍なのだ。ただしこの跳躍は、支配階級の統制下にある競技場でなされている。同じ跳躍が、歴史の自由な空のしたでなされるならば、それは弁証法的な跳躍であり、マルクスが理解した意味での革命にほかならない。(野村修訳、p.341)