「認定」と「辞任」

承前*1

レスリング協会 栄和人強化本部長が辞任 パワハラ認定で」https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180406/k10011393751000.html


曰く、


日本レスリング協会栄和人強化本部長が、伊調馨選手や指導していた男性コーチに対して嫌がらせをしているとして告発された問題で、調査に当たった第三者委員会は、伊調選手に対する「よく俺の前でレスリングできるな」といった発言などがパワーハラスメントに当たると認定しました。栄強化本部長は強化本部長を辞任する意向をレスリング協会に伝え、協会は、これを受理しました。

この問題は、伊調選手や、伊調選手を指導していた男性コーチが、栄和人強化本部長など日本レスリング協会の幹部から嫌がらせを受けているとして内閣府に告発状が送られたもので、レスリング協会から委託を受けた第三者委員会が栄強化本部長や伊調選手への聞き取り調査を進め、5日までに報告書をまとめました。

レスリング協会は6日、都内で臨時の理事会を開き、報告書の内容を出席者に説明するとともに、理事会のあと記者会見を開いて報告書の内容を公表しました。


日本レスリング協会の第三者委員会の報告書で、パワーハラスメントと認定されたのは、平成22年から27年にわたる言動です。

このうち、伊調選手に対しては、女子の強化委員長だった栄強化本部長が平成22年2月のナショナルトレーニングセンターでの合宿で、伊調選手に行った「よく俺の前でレスリングできるな」などの発言がパワハラと認定されたほか、平成22年の11月に中国で行われたアジア大会の代表に当初の選考基準を満たしていた伊調選手が選ばれなかったことが、女子の強化委員会の選考過程が不明確で、「伊調選手を選考から排斥する行為と解すべき」として、パワハラと認定されています。

一方、伊調選手を指導していた男性コーチに対しては、平成22年9月、ロシアでの世界選手権での宿泊先で、栄強化本部長が「伊調選手の指導をするな」と発言したことがパワハラと認定されたほか、平成27年2月のナショナルトレーニングセンターでの男女合同合宿で、「目障りだ。出て行け」などと罵倒したことについて、多くのコーチや選手が見ている中で一方的に叱責したうえ、その程度が甚だしいことなどからパワハラと認定されています。また、平成22年11月に行われた男子の合宿中に栄強化本部長が行った「伊調選手の指導をするなと言っているだろう」などの発言についても「パワハラにあたるというべき」事案だったとしています。

ただ、男性コーチも「何がいけないんですか」などと言って近づくなど、第三者委員会は、2人の関係が「けんかに堕している」と思われるとしていて、ほかのパワハラと同じように論じていいか、「ちゅうちょを覚える」としています。

一方、告発状の中で、伊調選手がリオデジャネイロオリンピックまで練習拠点としていた警視庁の練習場に出入りを禁止されたとする部分については、警視庁のレスリング部の監督が部外者の伊調選手に好意で使用を認めていたもので、「リオデジャネイロ大会が終わったことを契機に、一区切りつけることは考えられる」として責められるべきことではないとしています。