マジョリティは肯定

貫洞欣寛*1「日本で体罰容認6割の調査結果。「たたいたことある」も7割」https://www.buzzfeed.com/jp/yoshihirokando/de6nongonotoo


セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」*2による「体罰*3に関する意識調査*4について。結果としては、日本社会において「体罰」を肯定したり、実際に行うというのはマジョリティに属するということ。
さて、私は子どもが生まれてから今まで、「体罰」というか、叩いたりしたことはない。何故「体罰」をしないのかというと、もし子どもを叩いたりしたら、その後、どうやって親子関係を続けていくのか自信がないということがある。親子関係というのはそもそも非対称的な関係なので、殴り合いの喧嘩の後に真の友情が生まれるという青春ドラマの世界とは違うわけだ。「怒鳴る」ことも調査では取り上げられているが、息子に「怒鳴る」としたら、先ずそれは危険の喚起のため。道路に飛び出すな! とか、車が近づいているぞ! とか。勿論、子どもに対して声を荒げるということがないわけではないけれど、それは「しつけ」とは関係ない。たんにいらついたり・むかついたりしているだけで、寧ろ自己嫌悪はあるものの、「しつけ」のためなどという正当化はしていないし、すべきではないだろう。そもそも子どもとのコミュニケーションのすべてが「しつけ」である筈はないのだ。
体罰」を巡る法的な非一貫性をメモしておく;


日本でも、子どもへの体罰は人権問題であり、子どもの発達にも負の影響を与えるという認識が広まり、学校などで体罰が用いられることは大幅に減った。だが、それでも体罰を巡る法制度には抜け穴がある。

それは、民法の「懲戒権」の規定だ。

学校教育法では学校での体罰を禁止しており、児童虐待防止法もある。一方、民法822条は「親権を行う者は(中略)監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる」と規定しており、家庭内での体罰が容認される余地を残している、という。

日本弁護士連合会なども、この条文の削除などを求める運動を行っている*5

*1:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110220/1298219880 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150103/1420290486 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150427/1430152551 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20150717/1437100253

*2:http://www.savechildren.or.jp/

*3:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20171221/1513826383 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170915/1505489931 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170721/1500613345 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170531/1496198971 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170506/1494035424 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20161223/1482457184 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160226/1456450116 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130626/1372252565 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20060430/1146376716 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070422/1177259244 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20070826/1188138525 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080624/1214278073 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20110113/1294929104 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130130/1359564569 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130202/1359736589 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130222/1361461894 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130305/1362499984 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130321/1363866985 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130626/1372252565 但し、親(家族)による体罰だけでなく教育関係者による体罰も含む。

*4:『子どもの体やこころを傷つける罰のない社会を目指して』http://www.savechildren.or.jp/jpnem/jpn/pdf/php_report201802.pdf

*5:日本弁護士連合会「子どもに対する体罰及びその他の残虐な又は品位を傷つける形態の罰の根絶を求める意見書」https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/opinion/report/data/2015/opinion_150319_4.pdf