「反日左翼」だって

週刊朝日』の記事;

高麗神社参拝の天皇陛下を「反日左翼」と呼ぶ人たち

2017.9.29 07:00週刊朝日#皇室


 9月20日から1泊2日。天皇陛下美智子さまは、埼玉県へ私的な旅行に出かけた。だが、訪問先のひとつ、朝鮮半島からの渡来人にゆかりのある日高市の高麗神社*1への参拝を巡り、ちょっとした騒ぎが起きた。参拝の数日前から、ネット上には両陛下を「反日左翼」などと非難する意見や、「反ヘイトメッセージでは?」と、その「ご真意」を臆測する書き込みであふれた。

 そもそも高麗神社はどのような場所なのか。「続日本紀」には、東国7カ国に住んだ高麗人が716年に武蔵国に移住し、高麗郡を建郡したと記される。

 宮司の高麗文康(ふみやす)さん(50)がこう説明する。

「神社にまつられるのは、私の祖先にあたる高麗王若光(こまのこしきじゃっこう)。初代郡長です。この一帯は朝鮮半島から渡ってきた高麗(高句麗)人によって栄えた土地。昨年は建郡1300年の祝賀の年でした。境内に若光の石碑が建立され、除幕式には高円宮家の久子さまも出席されています」

 高麗宮司によれば、両陛下のご訪問が決まったのは3カ月ほど前。両陛下の私的旅行先は、お二人の思い入れの強い場所であるのが常だ。それだけに高麗神社参拝に意味を見いだそうとする見方が後を絶たないのだ。翌21日には、朝鮮日報が<高句麗の王子まつる高麗神社に天皇・皇后が初訪問>と高揚した見出しとともに、<明仁天皇は日ごろから日本の過去について心から申し訳ないと考えて、韓日古代交流史にも関心が高いと言われている>と書き、訪問の意義を熱いトーンで報じた。

 周囲の熱視線とは裏腹に、当事者の反応はいたって穏やかだ。高麗宮司は「反ヘイトメッセージですか。うーん。それはわかりませんが、高麗ゆかりの地に関心を示してくださっただけで光栄です」と感想を述べ、神社庁周辺も「特別な意図があるような話は出ていませんね」。

 陛下は、「高句麗百済などの国がどうして滅んだのか」などと歴史について熱心に質問された。そして、美智子さまと神社周辺の山桜やしだれ桜の木をながめ、それは楽しそうに会話をされていたという。

週刊朝日 2017年10月6日号
https://dot.asahi.com/wa/2017092700011.html

この行幸についての『埼玉新聞』の記事(勿論、「反日左翼」云々には言及されていない);

2017年9月20日(水)
両陛下が埼玉へ私的旅行 日高の高麗神社、見頃のヒガンバナを見て回られる 大勢の市民ら歓迎


 天皇、皇后両陛下は20日、私的旅行で県内を訪問、日高市の高麗神社や巾着田曼珠沙華(まんじゅしゃげ)公園などを見て回られた。県によると、両陛下の来県は2014年11月に深谷市などを訪れて以来。熊谷市内のホテルに宿泊し、21日は深谷市出身の実業家・渋沢栄一の記念館などを視察される。

 両陛下はこの日正午ごろ、大勢の市民らが沿道で歓迎する中、高麗神社に到着。神社を参拝された後、隣接する高麗家住宅(国指定重要文化財)を訪れた。

 高麗神社は朝鮮半島高句麗が7世紀に滅亡した前後に、日高市を中心とする地域に移り住んだ渡来人ゆかりの神社で、高句麗の王族が祭られている。両陛下は高麗文康宮司(50)から、高句麗の人々が渡来した歴史などについて熱心に説明を聴き、参拝を済ませた。

 その後は約500万本のヒガンバナが見頃を迎えた同公園に移動。一面に赤いじゅうたんを敷き詰めたような景色を見ながらゆっくりと散策され、「美しいですね」などと感想を話していた。

 今回の訪問は、両陛下の希望を織り込んだ私的旅行の位置付けで、さまざまな歴史に触れてもらうのが目的。宮内庁が13年から年2回ほど、機会を設けている。
http://www.saitama-np.co.jp/news/2017/09/21/01_.html

高麗川には(地は繋がっていないが)親戚がいる。やはり高句麗王の末裔を称していた*2
それはともかくとして、神社は何処も「反日左翼」かも知れないよ。何しろ狛犬がいるから。さらに、熱湯浴ども、法隆寺の「百済観音」*3なんて聞いたら、血圧が急上昇してしまうのでは? ところで、Wikipediaを読むと、この「百済観音」の来歴は面白い。そもそも近代にいたるまで、「観音」だとは認められておらず、虚空蔵菩薩だとされてきた。「百済観音」の呼び名が定まったのは大正年間のことであり、メジャーな存在となったのは、和辻哲郎『古寺巡礼』と亀井勝一郎『大和古寺風物誌』*4以降のこと。それから、現存する世界最古の企業と言われている「金剛組*5は元々大阪の四天王寺の建立を担った百済人宮大工の集団。
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