Alfons Deeken - Living, Loving, Thinking, Again

NHKの報道；

「死生学」提唱アルフォンス・デーケン氏死去
2020年9月7日 14時54分

死と向き合う「死生学」を提唱し、長年、日本の終末期医療やグリーフケアの普及に取り組んだ、上智大学名誉教授のアルフォンス・デーケンさん*1が、6日、肺炎のため亡くなりました。88歳でした。
アルフォンス・デーケンさんはドイツで生まれ、1952年にカトリック教会の修道会「イエズス会」に入って修道士となり、1959年（昭和34年）に来日しました。
その後、上智大学で教べんをとり、当時、日本ではタブー視されていた、死と向き合う「死生学」を提唱しました。
末期のがん患者などへの終末期医療や、肉親や大切な友人を失った悲しみを癒やす、いわゆる「グリーフケア」の普及に熱心に取り組み、考えに賛同した人たちによる「生と死を考える会」の運動は全国に広がりました*2。
1991年（平成3年）には日本に初めて死生学を定着させたとして、菊池寛賞を受賞しています。
デーケンさんは、その後も積極的に講演や執筆活動を行い、よりよい人生のためにいかに死を迎えるかを考えることの大切さを広く呼びかけました。
上智大学によりますと、デーケンさんは6日、肺炎のため東京都内の修道院で亡くなりました。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200907/k10012605241000.html

1986年にメヂカルフレンド社から出た『死を教える死への準備教育』、『死を考える死への準備教育』、『死を看取る死への準備教育』の三部作は記念碑的な著作としてマークしておかなければならない。

死を教える (<叢書>死への準備教育)

作者:アルフォンス・デーケン,メヂカルフレンド社
メディア: 単行本

死への準備教育第3巻死を考える

作者:アルフォンス・デーケン,メヂカルフレンド社
メディア: 単行本

死を看取る (<叢書>死への準備教育)

作者:アルフォンス・デーケン,メヂカルフレンド社
メディア: 単行本

また、若松英輔氏*3曰く、

アルフォンス・デーケン神父が亡くなった。日本における死生学、グリーフケアは彼の存在なくして語れない。第二次大戦中、彼の家族はすでに明確な反ファシズム運動を実践していた。それにもかかわらず、無防備だった祖父を偶発的に連合軍に銃撃される。これが彼にとっての「死」の最初の経験だった。
— 若松英輔 (@yomutokaku) 2020年9月6日

死の不条理をどう受け入れていくかは、彼の実存的問題だった。彼がカトリック司祭として日本に来たのは、弾圧されながらも信仰を守ったキリシタンに魅せられたからだった。彼はガブリエル・マルセル、マックス・シェラーの研究でも知られる優れた哲学者でもあった。彼の仕事の一断片でも受け継ぎたい。
— 若松英輔 (@yomutokaku) 2020年9月6日