「敬語」問題

承前*1

허완 and Komuro Shoko「文在寅氏のひそかな改革か 韓国・青瓦台が大統領への「敬語」をやめる?」http://www.huffingtonpost.jp/2017/05/23/moon-jae-in_n_16778612.html


曰く、


韓国・文在寅(ムン・ジェイン)政権が発足して2週間が過ぎる。新政権の動向が注目されているなか、大統領府(青瓦台)の報道官らが、過去2代の大統領について言及する時に使っていた「尊敬語」をやめたことが明らかになった。理由はわかっていないが、国民目線に立つことをアピールしていた新大統領の文在寅氏の意向が働いている可能性がある。

韓国社会では、同じ会社・組織や家族について対外的に話す場合、対象が自分より目上の立場であるならば、必ず尊敬語を使って言及するのが普通だ。それは、過去2代、李明博朴槿恵前大統領に言及する際の大統領府でも同じだ。

文大統領の就任直後は、大統領府の関係者は「文在寅大統領が(께서)〜なさいました(하셨습니다)」などと記者らに説明していたが、最近「文在寅大統領が(이)〜しました(했습니다)」になった。

日本語と韓国語の差異について言及されるときに必ず引き合いに出されるのが相対敬語と絶対敬語の差異ではなかったか。
それとは別に最近「総理のご意向」という表現に凄い違和感を感じ、これは日本の北朝鮮化の第一歩なんじゃないかと思ったのだった。日本が終了して、〈東朝鮮〉*2になってしまうのか。日本では公的な文脈における敬語は皇室関係に限定するという了解が存在してきたのではないか*3。問題の文書だけど、(朝日も含めて)「総理の意向」としているメディアもあるようだけど、「ご」があるとないとでは、全然衝撃が違うよ。
See also


「「総理の意向」文書、担当課が提示 前文科次官が証言」https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170525-00000011-asahi-soci

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170510/1494381530

*2:See also http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160407/1460055340

*3:所謂左翼はその了解の外だろう。左翼かどうかの線引きを、皇室について敬語を使うかどうかで行うことも可能だろう。