拒否された「少女」

承前*1

高英起「韓国新大統領の誕生を大喜びする北朝鮮の幹部たち」https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170516-00071001/


曰く、


黄海北道(ファンヘブクト)のデイリーNK内部情報筋によると、朝鮮労働党の組織指導部は、道の党委員会、人民委員会(道庁)に文在寅氏の当選を伝えた。情報筋はその時期について明らかにしていないが、北朝鮮メディアが報道する前――つまりは当選翌日だったものと思われる。

地方幹部は、一様に文在寅氏の新大統領就任を喜んでいるもようだ。

文氏は、2007年10月に金正日総書記(当時)と南北首脳会談を行った盧武鉉大統領(同)の側近中の側近として知られるだけあり、幹部の間からは「文在寅はわれわれ(北朝鮮)の側だろう」との声すら聞かれるという。

また、経済支援を期待し、まだ何も決まっていないのに早速「これで兵士や特殊機関への配給ができる」との期待の声が上がっているとのことだ。

しかし、北朝鮮当局はこのような雰囲気を警戒し、「道内の党員、勤労者が南朝鮮傀儡(韓国)に対して幻想を持たないように道内の住民の動向を徹底して統制、掌握することについて」との指示を下している。

まあ、全体的に見て、朴槿恵の弾劾*2から大統領選挙に至るプロセスで、韓国のプレスティージ(ソフト・パワー)は増大したといえるだろう。特に、北朝鮮に対しては。
また、


高英起「北朝鮮の「慰安婦像」計画、金正恩氏が不許可…「日本を刺激するな」」https://news.yahoo.co.jp/byline/kohyoungki/20170519-00071087/


Radio Free Asiaに依拠して;


北朝鮮では昨年6月、朝鮮戦争の開戦記念日に合わせて思想教育の「中央階級教養館」が開館した。RFAが咸鏡北道(ハムギョンブクト)のメディア関係者の話として報じたところでは、朝鮮労働党宣伝扇動部は当初、この施設の入口脇に慰安婦銅像を建てることを計画。複数の図面を作成して、金正恩氏の裁可を得ようとした。

ところが、正恩氏はこれを不許可とし、さらには日本軍の行った様々な残虐行為を示す展示内容を大幅に減らすよう指示したという。

その結果、同施設の展示物は米国を非難する内容のものが大部分を占めることに。宣伝扇動部の内部では「名前を『階級教養館』から『反米教養館』に変えたほうがいいのではないか」との声が上がるほどだったという。


実は、前国家保衛相を務めた金元弘(キム・ウォノン)氏も、党宣伝扇動部とは別に、慰安婦像の設置を金正恩氏に提案していたという。中国よりも先に慰安婦像を建てるべきではないか、との理由からだ。

中国では昨年10月、上海師範大学が、構内にあった上海慰安婦博物館を拡張する形で中国慰安婦歴史博物館を開館させ、入口に慰安婦の像を設置している。

ところが正恩氏は「国家保衛相が関与する案件ではない」として金元弘氏の提案を一蹴し、「国家保衛省は手段を選ばず、日本と南朝鮮(韓国)が国防と技術の分野で協力できないように仲違いさせよ」と指示した。

さらに正恩氏は「日本との関係を改善し、過去の植民地支配に対する賠償金を得て、韓国を孤立に追い込みたい。そのためには日本をむやみに刺激することは控えるべきだ」と述べたとのことだ。

そういえば、一昨年だったか、北朝鮮と組んで中韓を挟み撃ちにしろ! と怪気炎を上げていた右翼がいたな。
「少女像」を巡ってはhttp://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20170122/1485064622も参照のこと。