「思考を促す服」

石戸諭*1「ただの変な服だと思っていませんか? コム・デ・ギャルソン 74歳、川久保玲の本当の凄さ」https://www.buzzfeed.com/satoruishido/rei-kawakubo


川久保玲さん*2って74歳なのか! 紐育のメトロポリタン美術館で回顧展Rei Kawakubo/Comme des Garçons: Art of the In-Between*3がスタートした川久保玲コム・デ・ギャルソンについて。
最後の石戸氏によるコメントを切り取っておく;


思うに、売れているブランドや流行する服はどこか安心感をあたえてくれる。「着ていったらおしゃれに思われるだろう」「これなら変に見えないな」といったように。

しかし、コム・デ・ギャルソンの服は逆だ。これだけ有名なのに、安心感よりも、存在感の強さゆえ「こんな風に着ていいのかな……」と考えてしまうものが多い。

それは思考を促す服とも言える。

着やすくて、安心できる服が市場にたくさん出回っているなか、着る人に思考を促す服はほとんどない。

ないからこそ希少性がうまれ、ビジネスとして成立していく。

川久保さんは会社にとって大事な価値観もデザインしてきた。

コレクションを貫く思想も、ビジネスを貫く思想も同じであり、どちらもトップとして走り続ける。

今から20年前、こぶドレスが店頭に並んだ1997年のダイレクトメールにある言葉を引用しよう。この会社の性格をよく表現しているように思えるからだ。

「すでにみたものでなく、すでに繰り返されたことでなく、新しく発見すること、前に向かっていること、自由で心躍ること」

コム・デ・ギャルソンとは、そんな服をマーケットに送り出す企業である。川久保さんらしい<強い>言葉だ。