Schizophrenic dream

朝日新聞』の記事;


頭の中に電極、脳波を無線送信 難病患者向け臨床研究へ

朝日新聞デジタル 12/14(水) 8:12配信



 全身の筋肉が動かせなくなる難病患者の頭の中に電極を入れ、読み取った脳波を無線で送ってパソコンやロボット義手を操作する世界初の臨床研究を、大阪大などのグループが来年度にも始める。脳の信号で機器を操る「BMI」(ブレーン・マシン・インターフェース)という技術の一種で、患者の意思伝達や生活支援につなげる。

 今年度中に学内の倫理委員会に申請する。対象は、全身の運動神経が徐々に減る筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者。国内に約1万人おり、症状が進むと自力での呼吸や発声ができなくなる。まぶたやほおの動きでパソコンを操る装置が開発されているが、操作に時間がかかり、筋肉が動かなくなると利用できない。

 研究グループは、体の動きをイメージした時に生じる脳波を元に、手やひじの動きを推定できる技術を開発。2013年、ALS患者の脳の表面に、脳波を測る電極を手術で直接置き、体外とケーブルでつなぎ、パソコンなどを操作できることを試験的に3週間調べた。

 この脳波の計測法は、てんかん手術前の検査で使われている。頭皮から測るよりも精度が高く、細かな情報がとれるため、患者の意図する動きをとらえやすくなると期待されている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161214-00000021-asahi-soci&pos=4

たしかに筋萎縮性側索硬化症(ALS)*1を病む人にとっては朗報だろう。
ただ、別のことを考えてしまった。覚醒剤中毒のASKAは「盗撮」されているとか「盗聴」されているとか訴えて、結局それが命取りになって、覚醒剤の使用がばれ、再逮捕されてしまった*2覚醒剤中毒の妄想(被害妄想)は異常性を感じさせるには十分ではあるけど、それでもぎりぎり私たちの常識の範囲内である。「盗撮」事件や「盗聴」事件は日々発生し続けており、いくらシャブ中の訴えであっても、それが100%妄想の産物だということはいえないのだ。万が一、本当に「盗撮」や「盗聴」されていたということはあり得る。他方、統合失調症精神分裂病)の妄想は次元を異にする。シャブ中の場合、盗聴器が仕掛けられているのは大体建物の中ということになっている。最近だとPCやスマホのアプリを通してというのもあるらしい。何れにせよ、それがシャブ中たちを常識的世界に繋ぎ止めている。 統合失調症精神分裂病)の場合だと、盗聴器は自分の脳内に仕掛けられているというようになる。だから、盗まれるのは(外在化された)声ではなく、脳から湧き出たばかりの考え(観念)なのだ。常識はここまではついていけない。「頭の中に電極を入れ、読み取った脳波を無線で送ってパソコンやロボット義手を操作する」技術というのは、そうした精神分裂病者の妄想を技術的な手段で現実化するという側面があるんじゃないかと(やや妄想的に)思ったのだった。
これが「21世紀の精神分裂男(21st Century Schizoid Man)」を歌ったグレッグ・レイクの他界*3の直後のニュースだというはただの偶然だろうか。
In the Court of the Crimson King

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