或る「終了」

INTERNET Watch』の記事;


ニフティ「@homepage」が昨日で終了、個人などのホームページ約12万件が消滅、ただし12月12日までは復活可能

永沢 茂

2016年11月11日 18:46

 ニフティ株式会社(@nifty)は、ホームページサービス「@homepage(アット・ホームページ)」を11月10日15時で終了した。これにともない、同サービスで公開されていた約12万のホームページは閲覧できなくなった。

 @homepageは、ニフティISP接続会員向けに1999年から無料提供されてきたサービスで、最盛期の2003年には約34万アカウントが同サービスでホームページを開設していた。その後、ブログやSNSの普及もあって利用は減少。ニフティは今年に入ってサービスの終了を発表するともに、@homepageのユーザーに対して、後継サービスである「@niftyホームページサービス」の無料の移行プランを用意・案内していた。

 当初の予定では9月29日15時が終了日時だったが、現存していた約17万のホームページについて、後継サービスへの移行あるいは自ら解約・閉鎖するなどのユーザーによる対応がなかなか進まなかったことを受け、ニフティではサービス終了日を11月10日に延期していた。それでもなお約12万のホームページが残っていたかたちだ。

 この中には、すでに他社サービスへの移行が済んでいる、あるいはもうホームページの更新はやめており、あとは閉鎖のときを静かに待っていたユーザーも含まれているとみられる一方で、@homepageのサービス終了自体をまだ知らないユーザーがいる可能性もある。

 そこでニフティでは、自身のホームページが消滅して初めてサービス終了に気付くユーザーがいる可能性も考慮。サービス終了と同時にニフティのサーバーからもデータを削除するとしていた当初の予定を変更し、12月12日までは後継サービスへの移行手続きやデータのバックアップ操作を行えるよう猶予期間を設けた。

 12月13日以降は、後継サービスへの移行やデータのバックアップは行えなくなるとしている。

 なお、後継サービスに移行することで、@homepageの旧URLに移転通知を設定できる(表示は2018年3月29日15時まで)。
http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1029586.html

「@homepage」って、URLがhomepage.nifty.comになっている奴ですよね。
「@homepage」終了は今年1月に公表されていた*1。『INTERNET Watch』の永沢茂氏*2は、この問題を断続的に報道していたのだった;


「'00年代のホームページ遺産(黒歴史を含む)2TB超が自動消滅の恐れ」http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/751124.html
ニフティ、個人などのホームページ14万件が1カ月後に自動消滅、サービス終了の「@homepage」、8割以上が放置されたまま」http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1017094.html
ニフティ、ホームページサービス「@homepage」の終了延期を発表」http://internet.watch.impress.co.jp/docs/news/1021818.html


それから、1999年に「InfoWebとニフティサーブ」が「統合」され、@niftyが誕生したときの記事;


ドメインは「nifty.com」、日本最大のプロバイダー「@nifty」の詳細が明らかに」http://internet.watch.impress.co.jp/www/article/1999/0929/nifty.htm


8月末から現在まで、2万箇所のサイトは何とかサルヴェージされたわけだ。しかし、12万箇所のサイトがこのままでは12月半ばには一挙に消えてしまうというのは、適切な喩えなのかどうかはわからないのだけど、古本屋が1軒、大津波に呑み込まれる、という感じだな。
ネットにアップロードされた言葉や画像などの情報は個人的な見解や趣味や気分の効果ではあっても、アップロードされた瞬間に私のものではなくなる。それは、あらゆる言葉が描かれた瞬間に、或いは口から吐かれた瞬間に、私のものではなくなることのヴァリエーションである。私のものでなくなった情報は、公共資産(或いは負債)となり、(究極的には)単数形でしかあり得ない人類に属すということになるだろう。何が言いたいのかといえば、ネット上の情報は著者の都合、或いは経済的・政治的環境の変容などからは独立した仕方でアーカイヴされるべきであり、そのための手立てが考えられなければいけないということだ。