『芸術新潮』じゃない!

朝日新聞』の記事;


手塚治虫「秘蔵」のエロス 仕事場に眠る遺稿を初公開

小原篤

2016年11月7日08時17分

 1989年に60歳で亡くなったマンガ家・手塚治虫が仕事場に「秘蔵」していたイラスト29点が、7日発売の「新潮」(新潮社)12月号で「手塚治虫のエロティカ」と題して初公開される。2年前、長女るみ子さんが「開かず」状態の机の引き出しとロッカーから約25年ぶりに見つけた遺稿約200点のうち、手塚作品の重要な要素の一つ「エロス」をテーマに選んだ。

 初公開されるのは、グラマラスなネズミが体をくねらす絵や、裸の女性がコイや白馬に変身する絵など。「動物や昆虫までが色っぽく、命の変容する様がエロスを放つのが父の作品の特徴。それを描くのを楽しんでいたことが伝わる。エロスは手塚マンガの“毒”でもあり魅力でもある」とるみ子さんは話す。

 絵柄から60〜70年代のものと推定され、淡く彩色までされているが、何のために描いたかは不明。「新潮」では、巻頭カラーグラビアで25点、特集記事の中にモノクロで4点を載せる。手塚プロダクションによると、今回公表した遺稿の出版予定はないという。(小原篤
http://www.asahi.com/articles/ASJC24JQWJC2UCVL017.html

「グラマラスなネズミが体をくねらす絵」が記事に添えらえているのだが、男性の漫画家でありながら、ここまでエロい絵が描けるということに、手塚治虫*1の凄さの一端があると思った。というか、男の漫画家で〈エロい絵〉を描く人というのは若干の例外を除いて知らないのだった。世に謂う〈エロ漫画〉というのは、エロいとされているネタや対象を描いているにすぎず、絵の質としてエロいわけではないだろう。
さて、疑問に思ったのは、何故『芸術新潮』ではなくて『新潮』なのかということ。新潮社の雑誌でヴィジュアル・アートを扱うのは何よりも『芸術新潮*2じゃないのか。文学雑誌である『新潮』が社内の専門誌を差し置いて、おいしいネタをいただいてしまったわけだ。そういう、社内抗争がちょこっと気になった。