誰が誰に謝るのか問題

承前*1


嘉悦大学高橋洋一教授の件についての調査結果について」http://www.kaetsu.ac.jp/news16-11-02-02.html


曰く、


本学の高橋洋一教授の著作本の関係で、外部から指摘されたため、調査チームを立ち上げ、事実関係を調査し、本学における研究不正等の問題が無かったかについて調査をしました。

 事実関係を整理し、また、版元の講談社から提出された「経過報告書」等に基づき、検討した結果、本学においての研究不正等の問題は無かったことを報告致します。

 なお、著作権に関する指摘については、講談社から資料の通りの報告を受けております。

「研究不正等」の「等」って何?
添付資料は、


間淵隆(講談社第一事業局企画部担当部長)「経過報告書」http://www.kaetsu.ac.jp/wp-content/uploads/2016/11/keika.pdf


この事件においては、常識的には容疑者と推定される人物が被害者ということになっていて、「謝罪」を受けている。換言すると、いちばん「謝罪」すべき人間が「謝罪」していないということになる。
経済学は経験科学(empirical science)なのかという問題。社会学にせよ人類学にせよ政治学にせよ、自分は理論系でフィールドワークは苦手という人は多いだろう。全くフィールドワークをしないという社会学者や政治学者も少なくない*2。それでも、資料収集を出版社の「データマン」に丸投げするというのは知らない。

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20161101/1478013985

*2:さすがに、フィールドワークをしない人類学者はいないか。