夢2つ

普通夢というのは、朝起きて珈琲を喉に入れる頃には忘れてしまうものだが、最近見た2つの夢は何日も意味不明のまま憶えている。ちょっと文字にしてみるか。


日本近海の太平洋上を航行している大型客船が原因不明の爆発を起こし、沈没してしまう。この船には、或るカトリック信者の老知識人が乗っていた。彼が取り組んでいた長篇評論の原稿も沈んでしまう。私はこの沈没と、原稿も巻き添えになった老知識人の死をネットのニュースで死ぬ。私は、某新聞によるこの知識人のインタヴュー記事のゲラを鎌倉の海岸で拾う。そのゲラを、東京湾上の或る島の郵便局から新聞社に送り返す。その島は橋によって本土と繋がっており、島全体がテーマ・パークになっている。


私は駿河台の坂を下って明治大学を過ぎた辺りにある本屋に入る*1。店の2階で立ち読みを始める。如月小春の新刊が新潮文庫から出ているのを見て、手に取る。何故既に10年以上も前に死んじゃった人の新刊が今頃出るのだろうか、如月小春といっても戯曲でも演劇論でもなく人生論みたいで何だか変だなと訝りながら、頁を捲っていくけど、結局買わないで、本を平台に放り投げて、店を出る。店の裏側では火事。パニックになった豚たちが靖国通りの方に逃げていく。やはりパニックになった牛たちが猿楽町の方向に逃げていく。何時の間にかにソーセージ工場でもできたのだろうかと思う。私は熱風を感じ、やばいと思って、先ほどの本屋の方に退避する。本屋の客たちは近所の火事に気付かず、暢気に立ち読みを続けている。憶えているのはここまで。


最初の夢の「カトリック信者の老知識人」だが、その原型は多分加藤周一*2だろうと自己解釈した。また、最近自宅の近くでちょっとした火事騒ぎがあった。「ソーセージ工場」ということで思い当たるのは、最近見たアニメ映画The Secret Life of Pets*3にブルックリンマンハッタンの「ソーセージ工場」が出てきたことだ。でも、何故「如月小春」なのかというのはわからない。