『朝日新聞』の記事;
最初に柳瀬さん*1の名前を知ったのは、エリカ・ジョングの『飛ぶのが怖い』の訳者としてだっただろうか*2。その後に、ルイス・キャロルを訳し、ナンセンスや言葉遊びに以上に興味を持つ英文学者としての柳瀬氏の存在を知った。例えば、講談社現代新書から出ていた『ナンセンス感覚』とか。因みに、ルイス・キャロルの『不思議の国』はほかの人の訳で読んでいるので、柳瀬訳で読んだのは『もつれっ話』と『シルヴィーとブルーノ』。柳瀬氏が翻訳に専念するために大学を辞職してまで取り組んだジョイスについてはほかに熱く且つ適切に語ってくれる人がいるだろう。ところで、コレット・ダウリングの『シンデレラ・コンプレックス』も柳瀬氏の訳業のひとつ*3。多分売り上げとしては1位なのでは?
柳瀬尚紀さん死去 「不思議の国のアリス」など翻訳2016年8月2日18時56分
ジェイムズ・ジョイスやルイス・キャロルの翻訳で知られる英文学者で翻訳家の柳瀬尚紀(やなせ・なおき)さんが7月30日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。73歳だった。葬儀は近親者で行った。喪主は妻由美子さん。北海道根室市生まれ。言葉遊びが随所にちりばめられて「翻訳不可能」とも言われたジョイスの小説「フィネガンズ・ウェイク」を8年がかりで訳して話題を集めたほか、キャロル「不思議の国のアリス」、ロアルド・ダール「チョコレート工場の秘密」などを手がけた。近年はジョイスの大作「ユリシーズ」の全訳完成を目指していた。
将棋ファンとしても知られ、羽生善治さんとの共著もある。朝日新聞で2000年4月から約4年間、「柳瀬尚紀の猫舌三昧(ざんまい)」と題してエッセーを連載した。
http://www.asahi.com/articles/ASJ825QW3J82UCLV00T.html
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*1:See eg. https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9F%B3%E7%80%AC%E5%B0%9A%E7%B4%80 Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100824/1282669857 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20111105/1320511640
*2:その後、柳瀬氏はジョングの作品を訳し続けている。例えば『あなた自身の生を救うには』 や『ブルースをワイルドに』。