歌う/唄う

承前*1

清原和博読売巨人軍時代の覚醒剤使用を暴露した野村貴仁を巡る『日刊スポーツ』の記事に曰く、


野村氏は90年にドラフト3位でオリックスに入団。98年に巨人に移籍。自由契約となった01年まで4年間、清原容疑者と同僚だった。02年以降は大リーグなどでプレー。引退後の06年10月、覚せい剤取締法違反(使用)容疑で逮捕された。

 公判で野村氏は、現役時代、覚せい剤と同じく集中力や瞬発力があがる「スマートドラッグ」に分類されるアンフェタミン系興奮剤「グリーニー」を始め、その後、覚せい剤に手を出したと説明。懲役1年6月、執行猶予3年の有罪判決を受け、06年末に社会に戻っていた。

 野村氏が06年に社会復帰した後、清原容疑者から突然「探りの電話」があったという。記者の「何の電話だったのか?」との問いに、野村氏は「うとうてないか(供述していないか)。うとうてるか。うとうてるか。うとうてないか。僕が。警察に」。清原容疑者が電話で、野村氏が逮捕された時に、清原容疑者にも覚せい剤を渡していたことを供述したか、していないかを確認してきたという。
http://www.nikkansports.com/baseball/news/1602775.html

「うとう」というのは「供述」するという意味であるらしい。でもどうしてそういう意味になるのかはわからない。これについて、古寺多見氏曰く、

「うとう(唄う)てないか、うとうてるか」という清原の言葉の模写はあまりに生々しい。いうまでもなく、「唄う」とは自白することを意味する極道用語であり、清原和博という人間の心性がヤクザそのものであることが感じられる。ちなみに日本テレビの局員にはこの言葉が理解できなかったらしく、テロップに「売っとってないか、売っとってるか」と表示された。
http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160213/1455336909
その筋の方言だったのね。まあそういえば、「唄う」(歌う)というのは古い言い方ではウトフということもあり、例えば「蛍の光」の歌詞にも出てこなかったっけ、と思った*2
ところで、「グリーニー」が禁止されたのは2006年で*3、清原の巨人時代には一応法的には合法だったことになる。「 グリーニー」が表舞台に出たのは2005年に千葉ロッテ・マリーンズ選手の「グリーニー」疑惑が報じられたときだろうか*4。ただ、その時点ではまだ合法だったわけだ。まあ、そもそも「アンフェタミン」ってシャブの主成分なんだけど。「興奮剤」だと合法で、「覚醒剤」だと違法、というわけでもないのか。今後「覚醒」というのがNGワードになっていき、『スター・ウォーズ フォースの覚醒』*5も題名に文句がついてTV放映とかできなくなって、《フォースの興奮》に変更されちゃうのかしらとも思ったのだった。