世代論的問題？ - Living, Loving, Thinking, Again

承前*1

清原和博が覚醒剤所持の廉でぱくられた事件について、清原の読売巨人軍時代の監督で、彼を巨人に招き入れた当人である長嶋茂雄 *2は沈黙を保っている。ぶら下がりの記者たちに清原の件について質問されてもコメントを発することはなかった。それに関して、駒沢悟というスポーツ・ライターは、「長嶋氏、星野氏ら球界大物が清原事件について発言しない理由」という記事で、長嶋に「そういうバカなことを聞くなよ」というビートたけしの発言を引きつつ、長嶋茂雄の（そして、星野仙一の）沈黙を擁護している*3。タイトルにある「理由」というのは勿論本人が明かした「理由」ではなく、駒沢がその忖度*4によって勝手に構築したものである。
その駒沢の記事を、古寺多見氏は、

上記記事からは、自ら清原を熱心にくどき、1997〜2001年の5年間、清原を指揮下に置いて読売監督の座にあった長嶋茂雄の責任を問う視点が完全に欠落している。
清原を支配下に抱えていたばかりではない。清原に覚醒剤を渡したことを告白した野村貴仁もまた、1998〜2001年の4年間、長嶋率いる読売に在籍した。清原は長嶋監督時代に覚醒剤を使い始めたとされているのだ。
上記記事は、長嶋の責任を問うどころか長嶋をタブー化している。まるで「長嶋茂雄ハ神聖ニシテスヘカラス」と言わんばかりだ。著者は同様の言動を行ったビートたけしを擁護し、長嶋に清原覚醒剤事件の感想を聞いたマスコミを批判しているが、私はおかしいのは著者やビートたけしの方だと思う。

と批判している*5。
まあたしかにそうだけど、北野武のような団塊前後の人たちには長嶋に対する特殊な感情があるということを忖度してよとはいえるだろう。これは上の世代にとっても下の世代にとっても、理解し難いということはあるかも知れないのだが。ただ、駒沢悟というライターが団塊の人なのか、それとも、もっと若くて、たんに団塊オヤジに阿っているだけなのかはわからない。
あと、昔の長嶋の言動というか、あの、ひとつのいわゆる、メイク・ドラマということでしょうか、といった言語不明瞭意味不明瞭な長嶋話法に親しんだ者にしてみれば、脳卒中後の長嶋を見るのはそれ自体が辛い、ということがあるのかも知れない。一茂は発言していますけど。
さて、広岡達朗は『週刊朝日』のインタヴューで長嶋を切り捨てていますね；

清原はFA（フリーエージェント）で巨人に移籍して、打てないものだから、何かを飲んで、丸くて短い筋肉を作った。プロレスラーになったほうがいいような体になった。野球人の体じゃなかった。アメリカで誰かにこうやって体を作ったほうがいいぞと教わったのかもしれない。
　巨人時代、コーチ陣が清原を持て余して、2軍で巨人軍というのは何かというのを教えなくちゃいけないと、コーチらで全員一致になった。だけど、長嶋（茂雄・元巨人監督）さんが「三顧の礼を尽くして来ていただいた清原をそういうところにおいてはいけない」と言って、ずっと使い続けた。それでダメになった。
　長嶋さんもダメ。“ON人気”で選手としてはよかったけど、人を育てるコーチや監督になってからはダメだった。長嶋さんはいちばん弱いチームに行って監督してみたらわかる。
（今西憲之、上田耕司、亀井洋志、長倉克枝、西岡千史、林壮一、松岡かすみ、柳川悠二「元西武ライオンズ監督・広岡達朗　清原逮捕に「この事件は球界に対する警告。指導者が常識教えなかった」」http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160211-00000005-sasahi-soci）

広岡さん、この記事の中で「にんにく注射」にちょろっと言及しているのだけど、何それ？　という疑問は仕舞っておいて、清原問題でもうひとつ記事をマークしておく（とはいっても、必読という意味ではない）；

小川隆行「清原容疑者を許すべきだ！愛甲猛が暴露！クスリ漬けにした人物、カネや女の話…」http://biz-journal.jp/2016/02/post_13819.html

これはタイトル詐欺！　タイトルだけ読むと、これを読めば〈清原事件〉の本質がたちどころにわかるとついつい思ってしまうじゃないですか。でも、全然「暴露」なんかしてないよ。愛甲猛の熱い思いはまあ伝わってくるのだけど。
神奈川人の愛甲が出たからというわけではないのだけど、神奈川県葉山町の、しかもシャブの話。
『朝日新聞』の記事；

神奈川・葉山町議を覚醒剤所持容疑で逮捕　容疑を否認
2016年2月17日12時08分

　神奈川県警は、同県葉山町議の細川慎一容疑者（４１）を覚醒剤取締法違反（所持）の疑いで現行犯逮捕し、１７日発表した。「覚醒剤は私の物ではありません」と話し、容疑を否認しているという。
　県警によると、細川容疑者は１６日午後１０時４５分ごろ、横浜市中区末吉町の路上で覚醒剤約０・６５グラムを所持していた疑いがある。
　内偵捜査をしていた捜査員が、コンビニエンスストアから出てきた細川容疑者の胸ポケットから覚醒剤と注射器を見つけた。県警は今後、覚醒剤を使用した疑いでも調べる。
　細川容疑者は昨年４月の町議選でトップ得票で初当選した。
http://www.asahi.com/articles/ASJ2K32FDJ2KULOB002.html

また、『産経』の記事；

2016.2.17 11:10更新
覚醒剤所持容疑で４１歳葉山町議逮捕　江田・維新前代表の元秘書　「警察が入れた」と否認

　神奈川県警薬物銃器対策課は１７日、覚せい剤取締法違反（所持）の疑いで、神奈川県葉山町堀内の同町会議員、細川慎一容疑者（４１）を現行犯逮捕したと発表した。「私の物ではない」と容疑を否認している。
　逮捕容疑は、１６日午後１０時４５分ごろ、横浜市中区末吉町の路上で、ポリ袋入り覚醒剤０．６５グラム（末端価格４万５５００円相当）を所持したとしている。
　同課によると、細川容疑者は同区吉田町の路上で密売人とみられる男と接触。その後、約１キロ離れたコンビニエンスストアから出てきた細川容疑者を捜査員が調べたところ、左胸ポケットから注射器と覚醒剤が発見された。
　細川容疑者は「（覚醒剤は）警察が入れた。警察は信用ならない」と話し、採尿を拒否しているという。細川容疑者は維新の党の江田憲司前代表ら複数の国会議員の秘書を務めていた。２７年４月に葉山町議にトップで初当選した。
　密売人への捜査の過程で細川容疑者が浮上。同課は、数年前から覚醒剤を使用していた疑いもあるとみて調べている。
http://www.sankei.com/affairs/news/160217/afr1602170007-n1.html

「葉山町議選の新人たち　　１8日石岡じっせい＜４５歳＞　　１９日細川慎一＜４０歳。維新の党＞」という昨年３月のblog記事に、細川のチラシがスキャンされている*6。シャブを始めた時期によっては、江田憲司 *7も、長嶋茂雄がそうであるよう,に、〈監督責任〉が問われることになるのか。
葉山というのは大貫妙子さん*8が住まわれている場所でもあるのだが、葉山について統一的なイメージを持ってるわけでもない。皇室の御用邸というイメージが強いのだろうけど、湘南のいちばん奥に当たり、茅ヶ崎、藤沢、鎌倉のような賑やかさ（騒々しさ）はない。というか、東京から葉山には電車で行けない。大麻ならともかく、シャブは湘南には馴染まないような気がする。

*1:http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160203/1454457389 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160204/1454576883 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160207/1454811470 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160208/1454926774 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160209/1454981186 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160211/1455154265 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160213/1455386224 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20160215/1455464811

*3:http://thepage.jp/detail/20160214-00000001-wordleafs

*4:Used or mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20080723/1216825073 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100419/1271645099 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20100905/1283681455 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20111201/1322750851 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20111204/1323005896 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130130/1359564569 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130910/1378829609 http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20140714/1405306381

*5:http://d.hatena.ne.jp/kojitaken/20160214/1455461311

*6:http://blog.goo.ne.jp/hayama_001/e/a9ebda4aec3e235a406d431a1018b8e1

*7:Mentioned in http://d.hatena.ne.jp/sumita-m/20130724/1374640501